2006年(平成18年)1月1日号

No.310

銀座一丁目新聞

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茶説

新しい年を迎えて

牧念人 悠々

 80歳になると余り無理をしなくなる。日頃から「生き様は柳か雲か風まかせ」と決め込んでいる。それでも「挑戦」と「創造」をモットーとしたい。志は生涯ジャーナリストである。あくまでも書いて発言したい。今年は10日からブログも活用する。常に前向きに行動したい。昨年同様講演会、お芝居、映画、コンサート、美術展などにこまめに足を運ぶ。これまで多くの人に支えられてきたしこれからもお世話になるので感謝の念を忘れないようにしたい。
 新聞界の事が気に掛かる。とりわけ朝日新聞である。編集局長を2人制にするとは一体どういうことか。編集局を分裂させかねない。頭が二人いる組織が上手くいった例は古今東西絶無である。一人は紙面づくりの指揮に専念させもう一人は記者の育成や配置などの管理業務に責任を持つという(2005年12月26日)。みんなの顔は管理業務の編集局長に向くであろう。サラリーマン記者が多くなった昨今、さらにこの傾向が強くなる。それが人情と言うものである。朝日新聞には不祥事が多すぎる。たとえば、慰安婦問題を裁く国際法廷報道の不手際、この問題を扱ったNHKの番組の改編報道についても非は明らかに朝日新聞にある。間違ったら素直に謝ればいい。曖昧模糊にしてはならない。これこそ編集局長のリーダーシップが問われる。「紙面づくりの指揮」とは言葉だけのものである。現実に紙面を作っているのは各部のデスクである。紙面の優劣はデスクの優劣で決まる。編集局長などいてもいなくてもよい。局長は問題が起きた時これを裁き判断し結論を出し責任をとればよいのである。二人局長など要らない。一人で十分である。朝日新聞の局長以上の幹部は朝日新聞の100年史をひもとき先輩たちが危急の時どのような対応をしたのか熟読玩味すべきである。私は毎日新聞百年史を時おり目を通すように心がけている。新聞社ほど保守的なところはない。日々革新、挑戦の気持ちで事に当たらなければ世の中か ら遅れてゆく。他の新聞も同じことである。

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