2006年(平成18年)1月1日号

No.310

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(67)

―2005年回顧(続)― 

 @ 無敗馬の有馬記念敗戦(ディープインパクト)
 12月25日の有馬記念は、無敗の3冠馬ディープインパクト(3歳牡)の人気で盛り上がったが、期待もむなしく2着に敗れ、初めて土がついた。後方待機から直線で追い込んだが、半馬身届かなかった。3歳馬がいかに強といっても、4歳以上馬との間には力の差があることを示したともいえる。優勝したのはハーツクライ(4歳)で、ジャパンCで見せた実力が本物であることを示し、日本一の王座に輝いた。2番人気のゼンノロブロイは8着に惨敗。
 A戦後初の天覧競馬「天皇賞(秋)」(ヘヴンリーロマンス) 
  10月30日に東京競馬場で行なわれた天皇賞(秋)は、天皇・皇后両陛下をお招きして、戦後初の天覧競馬となった。優勝したのは牝馬のヘヴンリーロマンス(5歳)。皇室ではおめでたいことがあり、 ロマンスが話題になったことでもあることから、ヘヴンリーロマンスの優勝に期待したファンも多かった。なお、ヘヴンリーロマンス
 は引退し、春から繁殖牝馬となる。
A ダートGT初逃げ切り(メイショウボーラー)
 2月20日、東京競馬場で行なわれたフェブラリーS(東京ダート1600)は、メイショウボーラーが初のGTタイトルを獲得した。JRAダートGT初の逃げ切り勝ち。2番人気のアドマイヤドンは出遅れが響き、5着に追い上げるのが精一杯だった。勝ちタイム1分34秒7は、ウインデュエルの記録を0秒3塗り替えるレコードタイム。なお、JRAダート重賞3連勝は、過去にライブリマウント(ウインターS,平安S,フェブラリーS)が達成しており、2頭目。今回のメイショウボーラーの逃げ切りは、「逃げ馬恐るべし」の教訓をファンの脳裏に焼き付けた。
 B高校生が育てた馬(ユメロマン)
  2月13、東京競馬場で行なわれた第6レースの新馬戦で、ユメロマン(3歳牡、宗像)が、トウカイテイオー産駒やスペシャルウイーク産駒の良血馬たちを競り落として快勝。同馬を生産したのは北海道の静内農業高校。03年に落札され、この日がデビュー戦だった。
高校の生産馬が中央競馬で勝ったのは史上初。社台ファームやノーザンファームなどの大牧場を向こうに回し、高校の生産馬の快挙である点も注目される。JRAでは1億円以上する馬は珍しくない。
ユメロマンは03年7月29日に静内の北海道サマーセールで、僅か250万円の低価格で落札されたものだった。
Cサクラホウジュもデビュー勝ち(旭川・高校生生産馬)
  北海道立静内農業高校で生まれ、生徒達が育成したサクラホウジュ(牡2、父ラムタラ)が8月18日、旭川競馬の新馬戦(ダート、1500メートル)でデビュー勝ちした。2月には同校で育成した半兄ユメロマンが中央で新馬勝ちしており、これで2頭目の新馬勝ち。
見落とされがちだだが、明るい話題を提供したものだった。

( 新倉 弘人)

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