夏の露出の反動なの？と皮肉っぽく訊ねたら、

「知らないんですか？ジャケットは女のカラダをセクシーに見せる服なんですよ。くびれたウエストからヒップへのなだらかな曲線を一番美しくだすのがジャケットなんですって。デザイナーのコシノヒロコさんがそう言ってました。新聞に出てましたよ」

と、さげすみの眼で大いに反論されてしまった。

しかし、これは黒の着こなしにも通じることだけど、かっちりしたジャケットって、下手するとセクシーどころかすごく田舎臭くなるのよね。現にこの知り合いの女の子にしても、胸元の素肌は見せているけど少しも色っぽくない。歯に衣せずに申し上げれば、全体にバランスがとれてなくてなんとも品がない。

彼女にしてみれば、ジャケットセクシー論を展開したくらいだから自信たっぷりのスタイルなんだろうが、「胸元の露出は即セクシーではありません」と言ってやりたい気持。むしろジャケットの下にしゃれたインナーを着たほうが逆にセクシーかもしれない。

伊達男はこんなことを言っている。

「着くずれたしどけない格好より、きっちりと身を包んでいる女の方にこそ、ゾクゾクッする色気を感じる」と。

テーラードジャケットにもそのまま当てはまりません？　え？

洋服と和服とは違う？