2005年(平成17年)12月10日号

No.308

銀座一丁目新聞

上へ
茶説
追悼録
花ある風景
競馬徒然草
安全地帯
自省抄
北海道物語
お耳を拝借
いこいの広場
山と私
GINZA点描
銀座俳句道場
広告ニュース
バックナンバー

いこいの広場

(3)
藤田 東悟

−「へっぷり虫」戦争−

 

11月に入り突然「へっぷり虫」が私のオカリナ製作小屋の外壁、サッシの窓、所かまわず付き始め、その中の多くが部屋の中にも入り込んできました。私の母が群馬の片田舎育ちのため、小さいときから「へっぷり虫」と私はそう呼んでおりますが「カメムシ」のことです。刺激を与えるとくさいいやな臭いを出す虫です。「わーくさ」「 へくさんぼー」そのほかに地方によって臭いの表現の違いにより色々な呼び名があると思われます。かめの甲羅に似ているので「カメムシ」と名が付いたのだと思いますが私は「へっぷり虫」の呼び名の方がその虫の特徴を表わしていると思います。その「へっぷり虫」の大群で私のオカリナ製作小屋に襲いかかって来たのです。いままでいなかった虫が突然襲いかかって来たのですからこちらも防御策を取らなくてはなりません。その数並みの数では有りません。秋が始まり冬眠する場所を探しているものと思われますが、どこか部屋の中の居心地の良い場所を探しそこで冬を越そうと思っていると思われます。「へっぷり虫」は稲穂が軟らかいときに米の汁を吸い、吸われた後が黒く残りその痕が多く残ると等級が落ちてしまい、米農家にとっては害虫です。去年も来ていたのでしょうがあまり記憶に無いのでたいした数では無かったと思います。それから毎日殺虫剤を片手に「へっぷり虫」ハンターの日々が続きましたが、11月半ばになり朝晩の気温が下がりますとさすがに数が少なくなりました。皆何処かに冬眠場所を確保したのかもしれません。私が「へっぷり虫」ハンターをしている最中に、NHKラジオから今年私の地方ではカメムシが多く出、その冬は雪が多いと昔から言われているとの視聴者のFAXを読み上げておりました。今年は雪が多いかもしれません。18日に物見台で乾燥させていたオカリナを音程調整していたらそのオカリナにも「へっぷり虫」が4匹もぐりこんでおりました。恐るべし。テントウ虫も同じように来ましたがテントウ虫はさすがに退治できませんでした。12月1日にオカリナを焼き上げましたが、蒔きの中にも「へっぷり虫」が数多くいてあきれてしまいました。

このページについてのお問い合わせは次の宛先までお願いします。(そのさい発行日記述をお忘れなく)
www@hb-arts.co.jp