2005年(平成17年)5月1日号

No.286

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お耳を拝借(130)

「今年もまた・・・」

芹澤 かずこ

 連休初日、26.8度と急に気温が上がる。週間天気予報では連休中は好天気とあるが、これまた当てにならない。季節の変わり目はまだ肌寒い日も多く、薄手のセーター類など何となく片付けるのをためらっていたが、この際とばかりクリーニングに励み、何度もベランダを行き来していると、同じように忙しげに蜂もうろうろしている。
 昨年もあしなが蜂に窓のサッシに巣を作られかけたし、その前はつち蜂らしき蜂に、目の高さの外壁におわん型の巣を作られて往生したので、もしやと見回したが何処にもそれらしきものは見当たらない。でも、蜂は盛んに行ったり来たりしている。
 手を休めて蜂の行動を観察すると、ベランダの隅に置いてある蓋つきのポリバケツの隙間に入って行く。蜂の留守にバケツを動かして見ると、何とその取っ手に巣を作っていた。敵もさるもの、ベランダの壁や窓のサッシより見つかり難いと思ったのだろうが、陰で見えないとは言うものの、そのバケツには庭仕事に使う手袋やハサミ類が入れてある。その日も洗濯が済んだら、さっそく雑草取りに取りかかろうと思っていた矢先のこと。そのままにはしておけない。
 昨年の経験から、まだ工事中の巣は柔らかく、簡単に取り払えるのが分っていたから、蜂の留守に水撒きのジョウロの先で叩き落した。かの蜂が戻ってきて巣を探していたが、簡単には諦めず、少し残っていた巣の根元?を使ってまた工事を再開し始めた。放ってはおけない、何とかしなくては。
 そこで、スプレーに入っている家具用の洗剤の薄め液を、これまた蜂の留守を待って取っ手やその界隈にに吹き付け、ついでに外壁や窓や隣家との堺にも満遍なく吹き付けた。諦めの悪いその蜂はしばらくうろうろしていたが、身の危険を感じたのかようよう退散した。やれやれ。



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