競馬徒然草(39)
―2004年度の表彰馬―
2004年度の年度代表馬及び部門別最優秀馬が決まった。まず年度代表馬は、ゼンノロブロイ(牡4)。史上2頭目となる天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念のGT3連覇を達成したことが高く評価された。同馬に関連する記録を付け加えると、同馬を官理する藤澤和雄厩舎は02年、03年のシンボリクリスエスに続いて、3年連続の栄誉。今後のゼンノロブロイの活躍次第では、今年もまた年度代表馬選出の可能性もあり、その点でも注目される。
以下、2004年度の各部門別最優秀馬を、参考までに挙げてみる。最優秀2歳牡馬は、マイネルレコルトで、朝日杯FS優勝が光る。最優秀2歳牝馬は、阪神JF優勝のショウナンパントル。牡馬のマイネルレコルトとともに、今年の3歳クラシックを目指す関東の期待を背負うことになる。
最優秀3歳牡馬は、キングカメハメハ。NHKマイルCとダービーを制し、その圧倒的な強さが評価された。菊花賞制覇も確実視されたが、故障のため惜しまれて引退した。最優秀3歳牝馬は、圧倒的な1番人気に応えた桜花賞馬のダンスインザムード。オークスは不運の4着に泣いたが、日本馬として初のアメリカンオークスへの参加(2着に健闘)も話題になった。
最優秀4歳以上牝馬は、エリザベス女王杯優勝のアドマイヤグルーヴ。父がゼンノロブロイやダンスインザムードとともにサンデーサイレンス。しかも母がエアグルーヴ(96年オークス)とあって、良血としての期待も高かった。最優秀父内国産馬は、牡3歳のデルタブルース。菊花賞を制し、父ダンスインザダーク(96年菊花賞)の名声を高めた。父のダンスインザダークはサンデーサイレンス産駒で、後継種牡馬としての期待も大きい。
最優秀短距離馬はデュランダル。マイルチャンピオンSを制したが、父サンデーサイレンスのスピードを短距離で発揮した点で注目された。最優秀ダートホースは、アドマイヤドン。フェブラリーSなどダートのGTを3勝。母は2冠馬のベガ(93年桜花賞、オークス)で、血統的な評価も高かった。最優秀障害馬はブランディス。中山大障害、中山グランドジャンプと障害のGTを2戦2勝。しかも中山グランドジャンプ(4250メートル)では、7歳馬ながらレコードタイム(4分47秒0)を記録し、障害界に敵なしと謳われた。
最後に特別賞(特別敢闘賞)はコスモバルク。地方競馬(北海道)の所属ながら中央のクラシックに出走して健闘。多くのファンを得て、競馬の世界を盛り上げた。陰りの見え始めたとされる競馬の世界に、コスモバルクが果たした役割は大きい。ゼンノロブロイには勝てなかったが、それでもなおファンの声援の大きい馬だった。 (
新倉 弘人) |