2003年(平成15年)9月10日号

No.227

銀座一丁目新聞

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茶説

北朝鮮を注意深く見守ろう

牧念人 悠々

 北朝鮮の核兵器開発問題を巡る2回目の6カ国協議が9月下旬に開かれるべく交渉が進められている。。先の協議ではっきりしたことは、米国の「北朝鮮の核放棄が先決」という態度、北朝鮮の「米国はあいかわらず北朝鮮に対する敵視政策をとっている」との批判がより鮮明になった点である。米国の立場はあくまで北朝鮮の核開発の放棄である。その後、経済協力である。北朝鮮は米国の圧倒的な軍事力が怖いのである。イラク戦争を見て怖じけついてしまった。だから何よりも金正日体制を保証してくれというわけである。北朝鮮と米国の不可侵条約の締結を熱望する所以である。
だが、北朝鮮の核爆弾の恐怖はある。日時がたてばたつほど核爆弾の数は増える。さらにテログループにわたる可能性もある。この事態をほっとくわけにはいかない。米国も無視はできまい。被爆国日本も無関心でおられない。しかも日本の防衛問題と直接絡んでくる。核に対してどう対処するか考える時期に来ている。開催の日時が未定とはい え6か国協議の意味が大きく残されている。
一応、拉致問題は平壌宣言にのっとてひとつづ解決さていくことになっている。拉致問題は日本の主権が侵害された事件であることを忘れてはなるまい。北朝鮮の「解決ずみ」「帰国者を帰さないのは約束違反」といって言葉は強盗の論理である。本来なら、北朝鮮と日本の間で戦争がおきても仕方ない問題である。専守防衛の日本を北朝鮮は侮って対日工作を無法にも続けてきたのである。単なる謝罪で解決できるものではない。北朝鮮は拉致被害者の全員の帰国、それができなければ賠償を日本に払わなければいけない。既に帰国した蓮池夫妻ら五人の拉致被害者の家族だけの帰国ですむ問題ではない。拉致被害者の数、何処にいるのか、死亡者はいるのか全てを明らかにすべきである。外務省は事拉致問題に関して北朝鮮と安易な妥協をしてはいけない。
この国はだだっ子である。大国になりたくて、国民の貧乏と飢えをよそに、ソ連からの生物化学研究所の亡命技術者を使って生物化学兵器を作ったり核兵器を開発したりして世界に脅しをかける。自由を求める脱国者をよそに美女軍団を韓国に出し、こびをふり撒いたり、工作員を新聞記者と称して派遣し、乱暴を働いたりする。米国はこれをならず者といい「悪の枢軸」ともいっている。あまり理の通らない要求をすると墓穴を掘るだけである。
六カ国協議については今後とも中国、ロシアの果たすべき役割は大きい。日本は密接に両国とは話し合いをすればいい。核と拉致問題では日本は堂々と何ら恐れるところなく主張し、それを貫徹すべきである。

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