2003年(平成15年)9月1日号

No.226

銀座一丁目新聞

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花ある風景(140)

並木 徹

ロッキード事件がドラマになる

  この秋、日本テレビが「ロッキード事件」をドキュメンタリータッチで描く。毎日新聞社会部が出した「毎日新聞ロッキード事件取材全行動」(講談社)を下敷きにするようである。私自身2、3ヶ月前取材を受け、会社の資料室から私の顔写真を持っていった。社会部長をできるだけ私に似た俳優にするためだという。どんな社会部長がでてくるか楽しみである。
事件から27年、時代の激変を知る。事件が終わった直後、映画化の話もあったが立ち消えになった。また初版1万部を出版したのに再販もされなかった。田中角栄元首相の影響を恐れたからといまでも思っている。記者冥利につきる忘れがたき事件である。本のあとがきに「この事件は五十年に一度あるかないかのスケールの大きい疑獄である。指揮権発動で話題を呼んだ造船疑獄より規模が大きくしかも国際的な広がりを持ち面白い事件である」と書いた。文字通り寝食を忘れて働いた。その成果がつまっているのが「取材全行動」の本である。この本は社会部記者にとって、その後起きた疑獄事件のバイブルになった。
 今年の8月11、12日、軽井沢で当時の遊軍記者が集まって恒例のゴルフ会を開いた。今年で15回目。参加は8名。年々参加人員が少なくなっている。寄る年波に勝てず、体調不良のもの、家庭サービスを最優先するもの、仕事で外国に出張中のもの等いてやむをえない面もある。初日はかんかんでりで、私は午前中「57」もたたいた。昼ご飯の際、「2度めまいがしたから午後は休もうかな・・・」とみんなに話したら、誰かが「尾崎将司は午前中のスコアが悪いとすぐ棄権するらしい」と呟いたので、むらむらと、闘争心がわいてきた。大事をとり洗面場で頭を水で冷やしてスタートした。身体の力が抜けたのか、無欲が良かったのか、午後は「46」で廻った。夜は赤坂飯店で会食した。嬉しいことに、大病し、手術したばかりの板垣雅夫君がわざわざ来てくれた。一年に一度くらいかっての戦友の顔をみたいというのであろう。戦友の絆とでも言うのであろうか、その心根がいたいほどわかる。その夜はスポニチの軽井沢山荘で遅くまで雑談した。二日目は朝が小雨、午後から雨はやみ涼しく感じた。スコアは「55」と「46」であった。来年も軽井沢でやる。参加し、雑談し、顔を見るのが楽しいのである。

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