2003年(平成15年)1月20日号

No.204

銀座一丁目新聞

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茶説

称号「東工大發ベンチャー」に栄光あれ

牧念人 悠々

 「東工大發ベンチャー」称号授与式が1月9日、東京・大岡山の東京工業大学「百年記念館」で行われた。一般の人には何のことかわからないであろう。東工大出身者で、ベンチャー企業として活躍しているか、これから発展が予想される企業家に対して出された称号である。わかりやすくいえば、黄門様の[葵の印籠]である。何か事が起きると「この称号が目に入らぬか」と掲げれば、ある程度相手方がいうことをきいてくれる効用がありそうである。反面、この称号に恥じないよう頑張れという意味もふくまれている。
 もちろん、厳重な審査を経て16社に称号が東工大、相澤益男学長から授与された。創業26年の古い会社から企業1年未満というものもある。2社が有限会社で他は株式会社である。
授与者を代表して挨拶した日本シー・エー・ディ―社長、横山佳雄さんの話が面白かった。横山さんは東工大大学院を出た昭和52年4月に会社をつくり26年たつ。つぶれないために飯の種を作れという。この会社の飯の種はゴルフ練習場用自動テイアップシステムとチェイン式横搬送システムである。日本の特許もアメリカの特許もとっている。社員25名、平均年齢28歳である。「これまで社員の給料を遅配したことはない。もちろん娘の貯金からひきだしたことはあるが・・・」と苦労された話もした。仕事は諦めるな、とことこんやり遂げよ。経営は気合であるとも語った。
 私と同期生の野地二見君が関係する「フウズラボ」も称号をいただいた。会社は東工大の大学院の修士課程をでた傳亮(フリャン)君と博士課程を終えた杉本茂樹君を中心に動いている。二人とも有為の人材で、研究心は人一倍熱心であり、化けたらどえらい仕事をする可能性がある。たえず奥富正敏教授の研究室とも緊密な連絡をとりながら研究、開発をすすめている。今後、この「東工大の印籠」を有効に使わしていただくつもりである。私の経営哲学は「仕事は狂気の如くやれ」である。16社のうち何社かが社会に貢献できるベンチャー的開発をしたら称号の価値は高まるであろう。16社の前途に栄光あれ・・・

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