2003年(平成15年)1月1日号

No.202

銀座一丁目新聞

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追悼録(117)

 昨年11月21日急逝去れた高円宮様は、その一週間前の14日、帝国ホテルで開かれた映画「走れ!ケッタマシン」上映会に出席された。応援団と劇団員等70名とともに、ふるさときゃらばんが制作した初めての映画を楽しまれた。
宮様はミュージカル「パパは家族の用心棒」をみておられ、この劇団に高い評価をお持ちであった。映画が終わったあとのパーティーで次のような挨拶をされた。その全文を紹介する。
 「劇団ふるさときゃらばんは、以前にミュージカル公演を見させていただいた事があり、そのふるさときゃらばんが映画を作り、処女作ということで、このたび、見る機会をいただきました。内容について何も聞かされておらず、コメディなのか、ミュージカルなのか、どんな映画かわからずに、拝見しておりました。
 見ていくうちに、いろいろなことが描かれていて、舞台でもそうでしたが、映画でも何でもありで、最後はどいう風な結末になるんだろうと思っておりましたら、最後のバンザイで、上手く納めたな、という感じでした。また、ストーリーとしては現実離れした出来事でしたが、細部がたいへんリアルに描かれていて、あのリアルさは最近の映画には少なく、感心しました。
 エンターテイメントで大切なのは観客と互換性があるということであり、ふるきゃらにはそれがあります。だから地方の幅広い人たちに受け入れられているのでしょう。最も観客を動員できる劇団だと思っています。
 全国の応援団が集っていろんな人が出演していて、そうした人の集り方が見た後のほのぼのとした後味のよさをつくっているのだろう。ふるさときゃらばんの舞台を見た後もそうでしたが、今日はあたたかい気持ちで帰れるなという気分になっております。この映画を一人でも多くの方にご覧いただきたいと思っております」
 まことに見事な批評である。劇団にとっては光栄の限りである。世界各地でミュージカルやコメディ、映画をご覧になっておられる宮様である。ふるきゃらにとって高貴にして最高の応援団員であった。気さくで庶民的な宮様が47歳の若さでご逝去されたのは惜しまれてならない。
映画「走れ!ケッタマシン」は昨年は全国で300箇所で上映された。今年は少なくとも後300箇所で上映されないともとがとれないらしい。がんばれ!ふるきゃら・・・ケッタマシンよ走れ!

(柳 路夫)

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