2002年(平成14年)11月1日号

No.196

銀座一丁目新聞

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安全地帯(26)

−庶民の味方・百円の実力−

−真木 健策−

 最近、埼玉県和光市内にも百円ショップがオープンした。健康器具、工具、インテリア、化粧品、本、文房具、ガラス及びプラスチック製品、ガーデニング、キッチン、メガネ、陶器、食料品など5万種類も取り揃えている。店員はお客の対応に忙しい。
「やすくてよい品を消費者に提供しよう」というわけである。国内産や輸入品もそろえ、百円ショップは全国で2400店舗もあるそうだ。ますます増えそうな勢いである。
不況のときは時代が安いものを求めるのかもしれない。昭和2年(1927年)と言えば、今から75年前だが、この年の3月、片岡蔵相が衆院で失言、金融恐慌うぃ招き、銀行の倒産が相次いだ。労働争議も1000件以上も起きている。
世相史を見ると面白い。日本橋・三越が白米。牛、ブタ肉、石炭など日用品の販売も開始(4月)。ニセ100円札、ニセ5円札・50銭貨などが出回った(1月)。映画スタ―にあこがれる若者が増える(5月)。本の安売りが始まる。1円のもが多かったので円本の流行といわれた。ちなみに中村屋のカレーライスはこの年に始まった。現代と非常に似ているところが少なくない。
店に足を運ぶとわかるように、生活必需品、いわゆる実用品ばかりである。子どもから大人まで見てまわるだけでも楽しい。そういえば、どこの百円回転スシはいつも混んでいる。スーパーも百円均一セールスと銘打って売り出しもしている。百円の実力はたいしたものである。

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