2002年(平成14年)10月10日号

No.194

銀座一丁目新聞

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ある教師の独り言(3)

−水野 ひかり−

 文部科学省が提唱している新しい教育では、その方法が違ってくるかもしれないが、私が考える授業で子供たちをに教えていくことは大きくいって二つある。一つはその教科の内容を判るように教えること。もう一つはその教科がわかるようにするシステムを身につけさせること。自分たちが授業中どのような動きをとれば(問題をとらえ、把握し、解決に向けてどう行動するか)良いかを教えられることである。
 教科をわかりやすく教える・・・これは大変難しい。相手に自分の思いを伝え、相手がうなずいて聞いても、相手が納得しているとは限らない。納得したといって還ってきた言葉がこちらの意図したこととまるっきりちがっていたなんてこともある。表現できる言葉を多く持ちたい。相手にわかりやすく伝わ留言葉選びが流暢に出来るようになりたい。私が日頃願っていることである。
昔から読書好きであった私は国語を得意としていた。今思えば,馬鹿なことだと苦笑してしまうのだが私はこの仕事を全くりかいしていなかった。前にも書いたことだが、得意=教えることが得意ではないのだ。そんなことも判らず、先生という甘い響きにあこがれてこの仕事に就いたのだった。
 指導書と言う教えることなんて全然分からない私のためにあるバイブルを基に授業を進めて行く私。つまらそうな子供たちをみながら早く時間が過ぎていくことばかりを望んでいる教師に、教える心などない。毎回落ち込んで職員室に戻るのだった。そんな私に一人の先輩が「自分の授業をテープに撮ってごらん。勉強になるよ」と言って下さった。

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