競馬徒然草(144)
―日本産馬への期待―
仏GTジャック・マロワ賞(芝1600メートル)が8月17日、ドーヴィル競馬場で行われ、武豊騎乗のナタゴラが出走した。武豊が国内のレースに姿を見せないと思っていたら、フランスのレースに出ていたのだ。そのレースだが、武豊騎乗のナタゴラは残念ながら2着に終わり、武豊8度目の海外GT制覇も成らなかった。
ナタゴラ(牝3、仏バリー厩舎)は、昨年の欧州最優秀2歳牝馬。今年5月の英1000ギニーで、日本産種牡馬の産駒として初の欧州クラシックVを成し遂げているスピード馬。父は高松宮記念2着馬ディヴァインライト(父サンデーサイレンス)。それだけにヨーロッパでの活躍には、大きく注目されるものがあった。武豊があえて渡仏して騎乗した理由も頷けるというものだ。だが惜しい結果に終わった。
日本の馬の産駒が、ヨーロッパのレース、それもグレードレースで走るようになったのは、喜ばしいことだ。これまでの道のりを考えると、隔世の感がある。いずれにしても、日本産の馬のレベルが上ってきたことを示すもので、喜ばしい限りだ。ナタゴラの今後に期待するとともに、これに続く第2、第3の馬の登場に期待したい。 (
新倉 弘人) |