2007年(平成19年)3月10号

No.353

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(107)

―控除率引き下げの話題― 

  「馬券の控除率が引き下げられるそうだね」「25%なんて、高過ぎるもの」「ずっと以前から引き下げろという声は強かった。遅過ぎるよ」「それでもファンには朗報だよ」。このところファンの間では、こんな話題でもちきりだ。
 確かにファンにはいい話だが、大喜びしてもいいものか、いちがいにいえない点もある。というのは、まだ詳細が正式に決定していないからだ。例えば、控除率の引き下げといっても、引き下げの数字が具体的に決定しているわけではない。また、どのような条件がつくのかもはっきりしていない。例えば、馬券の種類には単勝、複勝、枠連、馬連、ワイド、馬単、3連複、3連単の8種類がある。これらの馬券のすべてに適用されるのだろうか。それとも馬券の種類が限定されるのだろうか。今のところ3連単までは拡大しない方針のようで、それはそれでいいが、その他の馬券について具体的に知りたいところだ。
 少し話題を変えて「ファンへの還元」について触れる。JRAは、05年に単勝、複勝の控除率を25%から20%に引き下げている(競馬法一部改正)。単勝と複勝に限定した理由は分からないが、ディープインパクトの馬券問題があると見られている。配当の未払い分が数十億円もあるという。払い戻し時の端数の切捨てを含めると、かなりの額になるそうだ。この問題が1つのきっかけとなり、「ファンへの還元」も考えられることになったようだ。
 この「ファンへの還元」は、今後、どのように実現されていくことになるだろうか。一般の消費生活では、買い物をするとポイントがつくポイントサービスが盛んになっている。買い物をしてもポイントがつかない代表的なものには、馬券が挙げられるかもしれない。競馬にも何らかの形でポイントがつくようなことになれば、よりファンへの還元になるだろう。まさか、そこまではいくまい。「夢のまた夢」というところだろう。

( 新倉 弘人)

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