2006年(平成18年)4月10日号

No.320

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競馬徒然草(77)

―シーザリオ、脚部故障で引退― 

 桜花賞の時期を迎え、昨年を振り返っているときに、シーザリオの脚部故障が伝えられた。シーザリオ(4歳、栗東・角居)といえば、昨年日本とアメリカのオークスを制覇し、最優秀父内国産馬に選出されたほどの馬である。桜花賞との関連について触れる。昨年、フラワーCでデビュー3連勝を飾るとともに、重賞初制覇を達成。4連勝をかけて臨んだ桜花賞は、1番人気に支持されながら、ラインクラフトの頭差2着と涙を飲んだ。しかし、オークスでは見事1番人気に応え、GTウイナーに輝いたのだった。
 しかも、アメリカに遠征し、アメリカンオークスを4馬身差で圧勝。その名を世界にとどろかせたのだった。今年は再び海外競走のプランがあった。ところが、その矢先に不運が襲ったのだ。放牧先のノーザンファーム(北海道)で、昨年のアメリカンオークス後に発症していた繋靭帯(けいじんたい)炎が再発したのだという。
 繋靭帯(けいじんたい)炎は競走馬にとっては致命的で、引退も止むを得ない。登録を抹消して、今後は繁殖牝馬になるという。繋靭帯炎とは、浅届腱、深届腱のさらに内側にある靭帯の一部が切れて内出血し、炎症を起こす疾病。スピードのある馬が起こしやすといわれる。過去には、ダービー馬アイネスフウジンやアドマイヤベガなどが引退に追い込まれている。シーザリオは父スペシャルウイーク、母キロフプリミエール。その優れた血統を受け継ぎ、繁殖牝馬としての期待に応えて欲しいものだ。

( 新倉 弘人)

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