2005年(平成17年)10月10日号

No.302

銀座一丁目新聞

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花ある風景(216)

並木 徹

挑戦するハートにヘソ出しスイング
 

 20歳の宮里藍が日本女子オープーン(9月29、30、10月1、2の4日間・神奈川・戸塚CC)で数々の新記録を打ち立てた。新聞は大観衆の見守る中をドライバーを高く振り上げたヘソ出しルックの藍ちあんの写真を掲載する。最終日のギャラリー2万1018人、4日間合計4万8677人でこれまでの記録を更新した。一日最多は1989年の東海クラシックでの2万6720人であるが、これは男女同時開催の数字である。それにしても2万人台はすごい。今季の總観客数は40万9722人で8試合を残して97年以来8年ぶりに40万人突破となった。観客数の新記録は藍ちゃん人気のほか横浜の地理的条件も良かった理由もあろうが、時代が大きく動き始めた一つの兆しのような気がする。
 1989年の流行語は「おばたりあん」「マドンナ」「セクハラ」「おたく族」 「山が動いた」「ベルリンの壁」などである。昭和天皇死去し昭和から平成に年号が変わる。毎日新聞世論調査で竹下内閣の支持率が9lを記録。63年度の企業倒産が15年ぶりに1万件を割って9415件となる(昭和家庭史年表より)。
 2005年の流行語は思いつままにあげる。「津波」「中国パワー」 「郵政改革」「刺客」「踊り場」「自爆テロ」「落語ブーム」。平成も17年たつ。総選挙に勝った小泉首相の支持率が50パーセントを超える。経済も銀行の不良債権が大幅に減り、上向きになってきた。平均寿命は女性85.59歳(世界1位)、男性78.64歳(世界2位)である。年金、増税、地震と不安はあるけれども方向としては上向きである。目標に向って挑戦、ヘソにためたエネルギーを一挙に爆発させる藍ちゃんの姿はこれからの時代に立ち向かう私たちと重なり合う。1989年と今年の共通項は女性パワーである。女性の知恵と力を大事にせよということでもあろう。最も大きな違いは昭和17年は大東亞戦争始まって2年目であった。平成17年の今年は戦争をするためでなく、イラク復興支援のため自衛隊をサモアに派遣している点である。戦死者を一名も出していないこの平和を維持する努力をせねばならないと思う。

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