2005年(平成17年)8月10日号

No.296

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(55)

―「水」の話題・その新たな効用― 

  真夏日が続き、熱中症で倒れる人が多い。暑い日には、特に水分の補給が必要だという。最近はコンビニでもさまざまな水やお茶の 類が売られているが、消費者の好みの拡大ということのほかに、健康ブームの1つの反映と見ることができる。
  人間だけでなく、馬のほうも、とりわけ夏は水分(主に水)を必要とする。動物の中でも、最も汗をかくのは馬だ。だから、それだけ水を飲む必要もあるというわけだ。その水だが、普通は水道の水が使われる。馬に飲ませるだけでなく、熱を持った脚を冷やしたり、傷口を洗うときなどにも使われる。水の効用は大きい。
  そんな水だが、最近は水の研究もされていて、研究開発された特殊な水も登場している。東京の「ニチゾー」という企業では、人が飲む水だけでなく、植物用、畜産用も開発している。植物用は植物の成長を促進させるという。畜産用は防臭・消臭効果があり、牧場などで使われている。その「水」の1つが「ナイアス」というもので、実はこれが馬の怪我や病気の回復を早める効果もあるという。北海道の牧場では、これを使っているところもある。針生牧場などがその1つだ。
  仔馬は下痢をすることが多いが、少し下痢気味と分かったときに「ナイアス」を飲ませると、翌日には下痢も治り、元気を回復するという。整腸作用があるのが、効果の1つといわれている。これとは別に、畜舎などの洗浄・消臭効果のある「ノンジャーム」というものなども使われている。これを馬の体に擦り付けてやると、「気持ちがよいらしく、以前は体の手入れをさせなかったのに、今では別の馬になったような感じです」(針生牧場)という。
  「ナイアス」や「ノンジャーム」などは、生化学的な研究も始まっている。今後さらに注目されることになりそうだ。

( 新倉 弘人)

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