2005年(平成17年)6月1日号

No.289

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茶説

中国は礼義正しい国であった

牧念人 悠々

 大連二中の同窓生に中国の友人がいる。4年で一高に合格、東大医学部へ進学した。物静かでえらぶったところがない紳士である。戦後大連を訪問した際、彼が教授をしている大学の日本研究所に長年にわたり雑誌を贈呈したというので、厚いもてなしを受けた。さすが「大学」(四書のひとつ)で仁義礼智を強調する国であると感心した。昨今は事情が変わってきたような感じがする。中国副首相が小泉首相の訪問の約束を直前になって断るのは極めて非礼である。中国はよほど困っている事情があるのかもしれない。テレビも新聞も小泉首相の靖国神社参拝を問題視する。勝者が敗者を裁いた東京裁判で刑死或は獄死した人をふくめて国に殉じた人々に参拝し、しかも不戦の誓いをするのを何処が悪いのか。中国は「謝罪を行動で示せ」という。戦後60年日本は他国を侵略したことも戦争をしたこともない。ちゃんと行動で示している。中国はどうか、朝鮮戦争、ベトナム戦争をし、チベットを弾圧したではないか。自分の国の教科書は反日・抗日の歴史を偽りの写真まで掲載し教育しているのに日本の教科書に言いがかりをつけるというのはどういう魂胆か。
13億の民を食わせていくのは大変なことだし、またそれを引っ張っていくのも強力な政治力がいると思う。だからと言って「反日愛国教育」をしていつまでも国民の目を日本に向けるのをいい加減やめにして欲しいものだ。世界の目が次第に中国に厳しく向けられて来ている。デモ隊が壊した外国公館の建物の被害を弁償もせず、謝罪もしない国、ドイツで摘発された中国の脱税ニセタバコ事件(金額にして約34億円相当)。こんな密輸をしてまで稼がねばならない国、このように国際法を守らず、不法な行為をする中国に対して世界は疑問を持ち始めた。中国ではたして北京オリンピックはできるのか、また上海世界博覧会は開催できるのか危ぶむ声が起きている。そこで一番頼りになるのは日本ではないか。いつまでも日本を非難しても何事も先には進まない。中国側が非難し、日本の評論家たちが批判しても「適切な時期に靖国神社に参拝する」と事あるごとに言明する小泉さんは「未来志向で日中友好を果たしたい」と言う。こんなもの分かりのよい首相は世界を探してもそうはいない。

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