2005年(平成17年)6月1日号

No.289

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(48)

―05年ダービー回顧― 

  今年の第72回ダービー(5月29日。東京・芝2400)
は、近年になく話題の盛り上がりを見せた。それというのも、3戦3勝で臨んだディープインパクト(武豊騎手)が、特に前走の皐月賞で抜群の強さを見せていたからだ。ファンは真に強い馬の出現を待ち望む。だからこそ、ダービーの大舞台でも圧倒的な1番人気(1.1倍)に支持されることにもなる。
振り返ってみると、皐月賞時からディープインパ
クトに対する人気は高かったが、JRAの対し方にも異例なものが感じられた。皐月賞優勝後の表彰式で、騎手や馬主、調教師だけでなく、厩務員へもマイクを差し出してコメントを語らせていた。これは異例なことである。それはダービーへ向けての人気の盛り上がりを図る、JRAのパフォーマンスである。ディープインパクト人気を高めることが、ダービーを盛り上げることに繋がるのだ。
 このことは、また、ディープインパクトがダービーでも人気に応えて優勝するだろうことを、    JRA自体が認めていたようなものだ。こうしたことにマスコミも敏感に反応した。各スポーツ紙の記事の扱い方も、ディープインパクト一色で、2着候補探しに費やされた。
 こうして迎えたダービーは、ディープインパクトが大方の予想通り優勝。2番人気のインティミライ
が2着。結果は順当だが、直線で後続を離して逃げるインティミライを、大外から一気に追い込んで差し切ったディープインパクトの強さが目立った。しかも2分33秒3のレコードタイム。その強さが「衝撃的」であることは、奇しくも馬名が示している。
これで秋の菊花賞へ、久しぶりの無敗の3冠馬目指して挑むことになる。
 なお、ダービー当日の入場者数は、前年を上回る
114.8%の14万143人を記録した。それもディープインパクトのお蔭だろう。まさに「客を呼べる名優」
というべきか。

( 新倉 弘人)

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