2004年(平成16年)5月20日号

No.252

銀座一丁目新聞

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茶説

国会議員一年生は大学生と変らない



牧念人 悠々

  小泉首相が自民党の一年生代議士約30人に「議場で携帯電話をかけたり、マンガを読んだりしないように」と注意したという(5月13日・官邸での昼食会)。小泉首相が苦言を呈したのは当然である(5月14日毎日新聞より)。そのマナーの悪さは大学生も変るところがない。大学では授業中平気で私語をしたり、携帯電話をかけたりしている。しかもそれを先生はとがめようともしない。日本人と結婚した外国の女性が「何故先生はそのよう学生を叱らないのか、私の国では考えられない。深刻な問題なのに笑いながら話をしている」と怒っていたのを思い出した。
 日本人の公共の場でのマナーの悪さは次第にエスカレートしている。「個」の自由と尊重を強調しすぎて「わがまま」や「利己心」を増長させてしまった。私たちの周りを見るがいい。バス停付近のタバコの吸殻の山。歩道の茂みの中に散乱する空きカン。何とかならないものか。電車に乗れば若い女性の化粧する姿を見かける。しかも一心不乱で周りの人々を気にしない。「化粧する姿」を男性に見せないのが女性のたしなみではないのか。他人ごとながら朝10分ほど早く起きて化粧すればよいではないかといつも思う。若い男性も同じである。電車のシルバー席に足を投げ出して座っていたり、携帯電話を使っていたり、他人を思いやる心に欠ける。その人の心が態度、マナーに表れるとすれば、今の若者達の心象風景は索漠としているとしか思えない。今の若者に必要なのは「がまんすること」「利他心を養うこと」である。

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