2004年(平成16年)2月20日号

No.243

銀座一丁目新聞

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お耳を拝借(97)

「メール騒動」

芹澤 かずこ

 

  長男のところで遅まきながらパソコンを買い入れ、メールアドレスを取得したと『電話』が入った。メールの送り方がよく分らないので、さわらずにいるらしい。一度キーボードが動かなくなって、メーカーの電話サービスを受けてようやく動くようになったので、また変なことをして動かなくなるといけないからだと言う。
 携帯電話ではよく家族間でメールのやりとりをしているようなので、携帯からパソコンのアドレスにメールを送ってみるように伝え、こちらからも発信して、その旨『電話』を入れる。ほどなく双方とも着信していると『電話』あり。
 せっかくパソコンがあるのに、いちいち『電話』連絡でもあるまいと思い、こちらからのメールを使って発信者宛に送信するのが一番分り易いから、先ずこちらからのメール文を消して、文章を打ち込むように言ってみたが、消し方が分らないので、そのまま手を加えずに返信してみると言う。しかし、いくら待っても来ない。
 しばらくして「消せました。皆で悪戦苦闘して疲れたのでもう寝ます。お休みなさい」というメールが届いた。やれやれ、ひと騒動だったと思っているところへ『電話』が入り、無事に届いたかと聞いてきた。何も手を加えないものと、書き込んだものと2回送信したと言うが、1回しか届いていない。変だな、を繰り返して電話は切れた。
 ちょうど1年前、友人がご主人のパソコンから初めてメールを送ってきた時も、無事に着いたかどうかの問い合わせの電話がしきりに入った。何回か送信しているのに、何処に消えてしまうのか相手先に届かないと嘆いていた。
 そういえば私も、パソコンを習いたての頃は不安だらけだったことを思い出し、いっぱし先輩ぶっている今の自分が面映ゆい。



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