1999年(平成11年)3月20日

No.69

銀座一丁目新聞

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茶説

都知事選は無党派層がカギ

牧念人 悠々

 「都知事選はヤジ馬としてみれば、面白い」と、サラリーマン風の二人の男性が話していた。立候補者は、明石康さん、石原慎太郎さん、柿沢弘治さん、鳩山邦夫さん、舛添要一さん、三上満さんらである。

 いずれも知名度があり、それなりの識見を持っており、有権者からみれば、甲、乙つけ難い。ヤジ馬ならずとも興味津々である。

 今回の都知事選のポイントはどの候補者が250万の無党派票をどれだけ多くとるかで決まる。

 かって選挙の神様といわれた大麻唯男さん(故人)は「どっと入り、どっと出ていくのが浮動票だ」といっていた。無党派票は浮動票である。政治には関心があり、党派を決めず、その時の“時代の空気”によって候補者に投票する。時には意外な結果を生むが、実にバランス感覚に富んだ賢明なる有権者である。

 前回、この無党派層は、行政手腕未知数ながら、知名度もあり、期待のもてそうな青島幸雄さんに170万票を投票して選んだ。自、社、さ、公が推薦し、しっかりした組織票を持つ石原信雄さんを44万票の差をつけて押し切った。

 今回もこの無党派票が威力を発揮しそうな気がする。果して無党派票はどこへ行くのか判断が難しい。

 テレビの好感度の良いのは柿沢さん、ついで舛添さん。党勢が上げ潮の三上さん、などに無党派票が流れていくだろう。

 しかし、もっとも無党派票を獲得するのは石原さんとみる。理由は石原軍団がついているからである。渡哲也、館ひろし、神田正輝の人気タレントのほか、石原裕次郎未亡人の石原まきさんがいる。強力な応援団である。この石原軍団を実際に支えているのは、“小政”こと小林正彦さんである。石原慎太郎さんの著書「弟」にもその有能ぶりが紹介されている。過去の選挙にも実績があり、“小政”の選挙戦略は抜群で、見逃せない。

 明石さんが、自民、公明の組織票に支えられたとしても及ばないだろう。

 いずれのしても411日に決まる。

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