月刊「文芸春秋」9月特別号は小泉内閣採点表を掲載した。採点者は慶応大学教授、榊原英資、ジャーナリスト、桜内よしこ、文芸評論家、福田和也、参議院議員、桝添要一、元衆議院議員、松野頼三の五人。この様な形で政治を批判するのは良い試みである。私などはその大臣がどのような仕事をしたのか知らないものもいて参考になった。顔見知りの大臣は森山真弓法相だけである。
桜井よしこさんは0点を片山虎之助総務相、遠山敦子文部科学相、福田康夫官房長官につけている。その理由は片山大臣「地方分権は日本の将来のために不可欠だといわれているのにもかかわらず、片山氏の頭にあるのは国益よりも自分の出身母体である総務省の省益だけのようである。また住基ネット法案審議中にウソをついている」遠山大臣「
0点は遠山さんだけではなく文科官僚全員につけたものです。いまの文科官僚はかっての大蔵官僚の百倍ぐらい傲慢なのではないかとさへ思います」福田官房長官「対中国外交も含め、いわゆる外務省のチャイナスクールのメンタリティーの上にあぐらをかき、より確信的に外交
をゆがめている」
もっとも松野さんは「市町村合併がどんどん進んでいるのはリーダーシップがよかったから」として片山大臣に70点。また「森内閣から三年近く官房長官をやっている。小泉内閣の方向を失わず失言も少なく円満にこなしているのは非凡な能力だと思う」として福田官房長官に8
0点をそれぞれつける。遠山大臣の最高点は松添さんの55点である。
18人大臣のうち平均点の最高は石破茂防衛庁長官の68点である。組織改革を行い背広組と制服組の地位を一緒にして長官の意志がストレートに自衛隊に伝わるようにした点が買われた。桝添さんの「石破さんは戦車のプラモデルを作るのが趣味で、防衛庁の人間よりも兵器の名前に詳しい」という話は興味深かった。
最後に小泉首相。平均点は49点で森山法相と同じで、18人の閣僚中11番目の点数である。福田さんは28点の採点「私は特措法自体には賛成だが『血を流しても国際貢献が必要だ』と国民に訴えなければいけなかった。そうでなければ実際に行
く自衛隊員があまりに気の毒でしょう」榊原さんは29点の採点。「改革の実績が少ない。むしろ改革がおくれた可能性がある」松野さんは85点の採点。「解散総選挙に打って出て勝てばようやく改革の五合目。三年後には小泉の責任で改革が完成する。三年後への期待をこめて」
政治は国民が関心を持つだけの政治しか実現できない。その意味では国民はもっと政治に関心を示さなければいけない。新聞、テレビことあるごとに各大臣の言動を伝ええる努力をする必要がある。そうでなければ日本の政治は悪くなるばかりである。 |