2002年(平成14年)8月20日号

No.189

銀座一丁目新聞

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花ある風景(103)

 並木 徹


 「ひまわりの先に1945年の恋」この一句で8月18日放映のNHKテレビNHK俳壇」にゲスト出演した(8月18日放映)。選者は寺井谷子さん。司会は好本恵さんである。感心したのは受け付けを含めてスタッフの人の気配りのよさである。気持ちよく仕事ができた。俳句は文章が上手くなるからと先輩に進められて若い時から俳句の本をたくさん読んできた。
 句を作り始めたのは最近である。
 寺井さんは「銀座俳句道場」の選者でもある。その人の「出よ」の指示をむげにことわるわけにもいかず、恥を忍んだ。冒頭の句は昨年8月の兼題のひとつ「ひまわり」で作ったもの。昭和20年の夏、私は陸軍士官学校の最上級生で、長期演習の名目で長野県北佐久郡の協和村の小学校で寝起きして訓練に励んだ。演習の合間にふと見かけた可憐な乙女へあわい恋心を抱いた。声をかけたことも話し掛けたこともない。19歳の若者はたわいもなく心をときめかした。それが思いもかけず句になった。
 この句を寺井さんが激賞した。この一句を、私は胸中の平和句集に「記憶」するとまで言ってくれた。
 好本さんの巧みな司会と歯切れのよい寺井さんの解説、鮮やかな添削で30分はあっという間に過ぎた。視聴者からの投稿句を6句もコメントする機会を与えられた。自分自身が試されていると感じた。季語がすっかり溶け込んでいる句があり、感心した。これまで季語の座りごこちが悪い句ばかりしか出来なったので、目が開かれる思いがした。
 「銀座俳句道場」の設立の趣旨のいう「自然を愛し、人を敬い、己を鍛える志」を忘れず、精進したい。

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