2002年(平成14年)5月1日号

No.178

銀座一丁目新聞

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安全地帯(8)

−縁起の福ダルマ−

−真木 健策− 

 

 有名な高崎ダルマは、群馬県高崎市上豊岡町を中心に生産される。年間約150万個、全国生産の約8割を占め、県内外で売られている。
商売繁盛、家内安全、交通安全などと書かれている。特に選挙では必ず登場する。縁起をかついで各選挙事務所には「必勝」の文字を入れて飾られる。
 普通は左目からスミを入れる。大願成就の暁には右目をいれて開眼させるのが昔からの慣わしである。七転八起、忍耐力をも意味し、苦労の波が寄せる人の一生にも通じるものがある。
 高崎市にある県ダルマ製造協同組合(中田一組合長、74人)の話によると、高さ9センチの小さいもので250円から75センチの大きいもので3800円と、とりどりである。30センチで3000円前後のものが売れ筋という。
 毎年、七草星祭の宵祭りである1月6日夕方から七日にかけて高崎市仁ある少林山達磨寺境内でダルマ市が開かれる。約30万人が訪れ、買い求める。「さあ、買った、買った」「何万両、何万両」と売り手の掛け声も賑やかである。売買が成立すると、三拍子で手打ちする。
 参道一キロに露天が並ぶ。寒さもものかわ、縁起ものにあやかろうとする人の波は続く。眉は鶴、ひげは亀をかたどり、縁起物として重宝がられている。作る人も人々の幸福を願っているのはいうまでもない。

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