2002年(平成14年)5月1日号

No.178

銀座一丁目新聞

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お耳を拝借(47)

-ちょっとだけ言わせて

芹澤 かずこ

 

 都会に住んでいるからには乗り物など多少の混雑はやむを得ないが、心ない人に出くわすと閉口してしまう。電車は普通に走っていても横揺れがする。ましてや少々乱暴な運転だったり、スピードが出ていたり、カーブにさしかかったりすると、その揺れ方たるや相当なもので押されたり戻されたり、まるで洗濯機の中の洗濯物のように揉みくちゃになる。
 あの時の不安な気持ちはなかなか言葉で言い表せない。どこかに捉まりたいと思っても、つり革は頭数には到底足りない。その足りないつり革を一人で二つも占領している人がいる。もっとひどい人になると、その二つのつり革の輪の中に手を通して新聞を広げて読んでいたりする。独断と偏見で言わせてもらえば、か弱い女性が後ろでヨロヨロしているのに知らん顔を決め込んでいるこんな輩は、家庭でも職場でも決して女性に優しくないと思う。
 混んだ電車では足を踏まれることもしばしば。特につま先だったりすると、あの痛さは声も出ないほど。とっさに「すみません」と声を発する人はほんの僅か。少しは気になるのかチラッと後ろを振り向くが謝りはしない。腹が立つ分、痛さが倍増する。
 いっとき流行った底の厚いサンダル、バランスも悪そうだし、あんなのに踏まれたら血豆どころか指がつぶれてしまいそうで、なるべく近寄らないように用心している。
 背丈のある男性で網棚に充分に手が届くのに、周りの迷惑も考えずに大きなバッグを肩にかけたままの人もいる。背の低い私など顔がバッグに押しつぶされ、体が反り身になって職場に着く前に疲れてしまう。
 戸口の近くに立っていて、降りる人にいくらこづかれても頑張り通してしまう人もいる。奥に入りたくない気持ちはよく分る。一歩譲るのは百歩譲るのも同じこと、いい顔をしていると幾らでも中へ押されてしまう。それならそれで、降りる人には道をあけて!
 最近、携帯電話でメールを送っている「おやゆび姫」と呼ばれる若い女性が多い。電車の中に限らず階段を上がりながらも手を止めないので、階段を上がるのがゆっくりになったり、ふいに立ち止まる。車ならさしずめ玉突き事故。
 先のとがった柄の長い傘も、後ろから上がる人は目を突かれそうになる。同じく階段を上がりながらポケットから定期などを取り出している人、動作をゆっくりして欲しい。直角になったひじがすぐ後ろから上がって行く人の顔にひじ鉄を食わすのをご存知だろうか。
 ちょっとだけのつもりが書いてみたら多くなった。でもこれ、気がついた事のほんの一部に過ぎない。これらのこと、気がつかずにやっている人が以外に多いと思う。毎日の通勤を少しでも快適にして、余計なトラブルを引き起こさないでも済むように、一つ二つ思い当たる方、どうぞ気をつけて!!



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