2004年(平成16年)11月20日号

No.270

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花ある風景(184)

並木 徹

アイスランド室内管弦楽団を聞く

 「ディミトリ・アシュケナージとKASA」アイスランド室内管弦楽団の親善コンサートを聞いた(11月9日・栃木県南那須町・大金グランドホテル)。主催者は日本アイスランド協会(会長渡辺淳一)。KASAは2001年、アイスランドの音楽家によって設された。国内だけでなく海外でも演奏活動を行っている。来日したメンバーはピアノ・ニーナ・マグレート・クリムスドッティルさんをはじめフルート、ヴァイオリン、ビオラ、チェロの6人の奏者と特別ゲストとしてクラリネットのディミトリ・アシュケナージさんが参加した。
 この夜、5曲を演奏した。ブラームスの「クラリネット三重奏イ短調(作品114)はピアノ、チェロ、クラリネットが時には単独で時には二重奏で奏でられ、クラリネットの美しい音色を十分に引き出していた。アシュケナージさんの出す音は素晴らしかった。昼間、6人の音樂家は日光東照宮を見学した。アシュケナージさんは左甚五郎の「眠り猫」の前に来るとしばし動かなかった。「心に響くものがあった」とあとで感想を漏らした。それにしても紅葉はみごとであった。
 ラフマニノフの「悲しみの三重奏曲」(ピアノ三重奏曲第一番)ロシア生まれのこの天才ピアニストは一時期神経衰弱に罹ってる。そのためであろうか、曲想が素晴らしい。ヴァイオリン、チェロとの三重奏は「寂しさの果てなん道を今日も旅行く」といった深い淋しさに襲われる。聞いていて切なくなる。
 南那須町の大谷町長も顔を見せ、熱心に耳を傾けていた。この町には首都レイキャビックにあるボブデイハウスを模した「迎賓館」がある。町長はアイスランドがますます好きになったようで、「ぜひアイスランドへ訪れてみたい」といっていた。

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