2013年(平成25年)11月10日号

No.591

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(104) 国分 リン

― ブナの森と暗門の滝・世界遺産白神山地 ―  

 スポニチ登山学校の仲間たちと黒部下の廊下を計画していたが、今年は残雪が多く一部通過できない場所があり、急遽、青森の世界遺産白神山地へ変更になった。

 世界遺産とは、今年富士山が登録されたが、自分の頭の中で整理されていないので、今回調べた結果、青森県のホームページを読み理解できた。

「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」は、世界的に重要な文化、自然遺産を保護するため1972年にユネスコ総会で採択されました。締約国は、それぞれ自国の遺産を守るほか、締約国の拠出による「世界遺産基金」で途上国の貴重な遺産を保護しています。締結国数は2013年4月現在190ヶ国で、日本は1992年に125番目の締結国として仲間入りをしました。白神山地は、青森県南西部から秋田北西部にまたがる130,000haに及ぶ広大な山地帯の総称です。このうち原生的なブナ林で占められている区域16,971haが1993年12月に屋久島と共に世界遺産として登録されました。地質は、およそ9,000万年前頃(白亜紀)にできた花崗岩を基盤に、2,000万年前〜1,200万年前頃(新第三紀中新世)の堆積岩(凝灰岩、泥岩、砂岩)とそれを貫く貫入岩類(地下の深いところからマグマが
上昇してできる岩。流紋岩、石英閃緑岩等)で構成されています。地形の特徴は、深いが入り組んでいて、谷壁が急傾斜をなすため、落差の大きな滝も数多く、景観にも優れています。
以上ホームページより

 9月14日晴れ 東京から夜行バスで10時間、K氏御用達のマイクロバスが8時弘前着。20人乗りに7人なので横になり、眠ることが出来た。ドライバー氏は何度も白神山地を訪れていて、道路事情も知り尽くし、先に電話で暗門の滝への通路可も確認し、アクアクリーンの駐車場へ到着。こんな山奥へ立派な施設が出来ていた。まだ9時頃でひっそりしていた。いよいよ世界遺産へ足を踏み入れる。暗門大橋を渡り3分程で入山料300円の管理棟があり、そこのおばさんが栃の実がたくさん落ちていたので栃酒の漬け方を教えた。


 入るとすぐに木造でできた「白神山地、ブナ原生林の水、水飲み場」柄杓も数本あり滾々と流れていた。ミネラル豊富な水をかみしめ喉を潤した。右は川沿い、左に暗門ブナ林散策道があり、もちろんブナ林散策道へ入った。白神山地はブナの原生林で手軽に体感できる。紅葉は10月、濃い緑の森の中、ギンリョウソウの白い花やツリフネソウの黄やピンクが揺れてきれい。見える限りブナ林が広がり深呼吸が清々しくうまい。のんびり楽しんで登りゆっくり休憩してはおしゃべりに花を咲かせ、山奥に来た感があり登った。急坂10分程下ったら、暗門川出合に到着。暗門の滝へ大きな橋があり、護岸は景観を損なわないように見えるところは岩、裏側はセメントになっていて、さすが世界遺産だ。川沿いに造られた道は、所々えぐられ無残になっていた。川沿いの道で高度が出てきたら鉄パイプの仮設歩道が続き、すれ違う人も出てきた。山装備の男性へ話を聞いたら、「第一の暗門の滝へ行ってきたよ」とりあえず私たちグループは第三の滝を目指す。小さい滝が次々現れ、相変わらずの鉄パイプの仮設歩道が続き、いよいよ近い所は頑丈に造り替えられて、階段を下りると水飛沫があたり、暗門の第三の滝へ到着。落差26mから水量豊富に滔々と落下する様は見事だ。しばらく飛沫マイナスイオンを腰掛けて受ける。記念撮影をして、3人は第一の滝まで行ってくると勢い良く出かけた。残った3人はゆっくり戻ろうと鉄パイプ仮設歩道を歩き、暗門川出合へ来た。豪雪地帯で雪崩の巣のため仮設歩道は11月中旬には撤去するそうで、納得した。山道と川沿いの道の分岐で、一周する川沿いを選んだ。こちらは次々観光客がやってきた。ブナ林を体験しないで滝へ直接の道、勿体ないなと思った。でも20分程で水飲み場に到着。世界遺産白神山地ほんの一部で物足りないほどであった。


次回はJR五能線に乗り十二湖ウォークで白神岳やブナ林の中にいる時間が長いコースを花の時期に、エゾハナシノブや青森マンテマやシラネアオイを求めて、この世界遺産を堪能したいなと思った。