花ある風景(507)
並木 徹
「金子兜太の俳句塾」
友人・野俣明君から教わった「ボケない小唄」が好きである。
「スポーツ カラオケ 囲碁 俳句
趣味のある人 味もある
異性に関心 持ちながら
色気ある人 ボケません」
俳句を趣味とする私は異性に大いに関心があるからボケないと確信している。
久しぶりに出席した毎日新聞のOB総会(10月30日)で会場に設けられた出版物の販売売り場で「金子兜太の俳句塾」(毎日新聞刊・平成23年5月30日発刊)を買う。20人の著名人の俳句を金子兜太さんが添削指導している。金子さんのズバリと臆せずものをいう性格を好ましく感じている。「自分は五七五を基本としたこの詩形を十分に遣って書くのだ、楽しんでいるのだ、という思いが大切です。俳句は自分の表現の道具だ、くらいに気軽に考えて思ったことをどんどん書けばよいのです」(後書きより)。という金子さんの説明は私には納得がゆく。私自身、自由自在に俳句の世界と遊びたいと思っている。
作詞家・星野哲郎さんの句
「鶯鳴も四川の訛り峨眉の山」(秀逸句)
「花いじめ何が賞だよ菊人形」(原句)
「花をいじめて何が賞かな菊人形」(添削句)
作家・津村節子さんの句
「白魚のいのちを噛むをためらひぬ」(秀逸句)
「村中の音みな吸ひて雪積る(原句)
「村中の音みな吸ひて春の雪」(添削句)
歌舞伎座俳優・松本幸四郎さんの句
「憂い顔の騎士の祈りに星しとど」(秀逸句)
「昨年今年 NEVER GIVE UP!」
幸四郎さんの話によれば歌舞伎役者は嗜みとして俳句をよくしたという。播磨屋の祖父は熱心で高浜虚子に師事し「ホトトギス」の同人であった。俳句とは「お前は人生を本気で生きているのか」と、問いただす神の声のような気がしてならないといっている。
言わずもがなことだが、俳句にはその人の人柄がはっきり出る。俳句は奥が深い。もっと精進しなくてはいけないと痛感する。
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