2011年(平成23年)1月1日号

No.490

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安全地帯(307)

ドンキーホーテの夢
 

少し“ぼけ”てきたような気がする。自分で描いた夢かもしれない。昨年の7月末、句集を出した。その代金を7月下旬に銀行を通じて句集を製作してくれた編集センターに払いこんだ。担当者Aさんにはその旨メールで知らせた。この時、几帳面な相手からは「受けっとった」という返事はなかった。「おかしいな」と思った。ところが、昨年12月はじめにAさんから「まだお金が払い込まれておりませんが・・・」と言ってきた。「7月に払いましたよ。調べてください」といったものの銀行に行って「払い込みの有無を調べてほしい」と頼んだ。受付の相談嬢曰く「預金通帳に記帳をすればわかることです。通帳を持ってきてください」といわれた。私は昭和63年12月、通帳を作って以来、記帳をしたことがない。通帳もどこにあるかわからない。「通帳と届けのハンコと自分を証明するものを持参してください。通帳がなければ再発行します」と言われた。Aさんの方も調べてくれた。編集センターの銀行には私から払い込まれたという事実はないという。仕方なく部屋の大掃除を始めた。通帳探しである。半日かかって机の引き出しの中の紙袋から出てきた。一方パソコンで7月下旬、Aさんあてに出した[お金を払いこんだ]と言うメールを探したが出てこない。念のため「ゴミ箱」を探したがなかった。私の思い違いなのか・・・御用納めの日銀行に行った。受付の相談嬢に次の「お願い」を出した。



◎◎銀行様
                         平成22年12月28日
            お願い
用件 平成22年7月20日から同年7月30日までの間、◎◎銀行から他銀行へ送金した記録の有無について
私の銀行口座は次の通りです。
▲銀行名 ◎◎銀行xx支店
 普通預金
口座名義 ◎◎◎◎
口座ナンバー ◎◎◎◎◎◎◎
平成22年7月20日から同年7月30日の間、◎◎銀行の◎◎◎◎名義の口座より▲▲銀行東京営業部・当座預金へ送金▲▲▲▲の記録の有無を調べていただきたい。
本日持参したもの1『総合口座通帳』2、届け印3、健康保険証



 新しく通帳を作って頂いて記帳してくれた。本来、これは本人がATMでやるものである。銀行の好意であった。答えは「NO」であった。残念ながら私に思い違いであったようだ。早速現金を引き出してAさんのところに届けた。だが、私はいまなお銀行からお金を送金したと思い込んでいるのだが・・・あれは夢であったのか。幻か。それにしても「お願い」を書き、わざわざ“現金”を運んだ己は几帳面すぎる。たしかに本人はいたって真面目であった。落ち着いて考えると、他人から見ればドンキホーテに見えるであろうと思った。