競馬徒然草(181)
―おもしろい秋競馬―
今年は厳しい残暑が続いたが、競馬の世界にはいち早く秋が訪れた。9月26日の神戸新聞杯(GU、芝2400)は、菊花賞のトライアルとあって注目された。最近の競馬は波乱が多いのだが、このレースは上位人気が1着、2着で、拍子抜けするほど固い結果に終わった。勝ったのが2番人気のローズキングダム(武豊騎手)、2着が1番人気のエイシンフラッシュ(内田騎手)。このレースの過去10年を振り返っても、人気の2頭で決まったケースは、ただ1回だけである。
ダービーで1着、2着の馬が、今度は着順を変えただけの結果に終わったのだが、意外だったのは、勝ったローズキングダムが22キロ増の馬体重で出走してきたことだ。この体重増を不安視する向きもあったが、力強く押し切ってしまった。春から馬がいちだんと成長したものとみられる。
この両馬は、この次は本番の菊花賞で対戦するが、今度はどちらが勝つだろうか。その菊花賞には今回の神戸新聞杯に出なかった別路線からも出走する。セントライト記念を豪快に差し切ったクォークスター、しぶとい逃げ粘りのヤマニンエルブ、夏の北海道で力をつけたトウカイメロディ、ヒルノダムールなどが挙げられる。 (新倉 弘人) |