2009年(平成21年)11月10日号

No.449

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(169)

―読めない筋書き― 

 競馬とは難しいものだ。今に始まったことではなく昔から難しいのだが、改めてそれを感じるのはなぜだろうか。振り返ってみると、以前はそれほどのことも感じなかったようだ。経験を積めば積むほど、難しさを感じるというのもおかしなことだ。最近のレースでいえば、11月9日、京都で行われたファンタジーS(2歳オープン)などはそのひとつ。最後方を進んだ8番人気のタガノエリザベートが、鋭い追い込みで差し切ってしまった。こんなレースをするとは予想できなかったし、これほどの鋭い脚を長く使えるとは信じられないほどだ。逃げたユメノキラメキは5着だった。
 一方、東京で行われたアルゼンチン共和国杯(3歳以上オープン)は、まったく対照的なレースであった。スタートから先頭に立って逃げたミヤベランベリ(11番人気)が、そのまま楽に逃げ切ってしまった。しかも2番手を進んだアーネストリー(4番人気)が、そのまま2着を確保した。これに対して、後方に位置した1番人気のジャガーメイルは、4コーナーを回ってから脚を伸ばしたが、やっと5着に入るという不甲斐なさだった。軽快に逃げるミヤベランベリに対して、いかにも離され過ぎの位置取りでは、早くも勝ち目のないことは明白だった。ファンを裏切った罪は大きい。
 考えてみると、騙されることの多いのが競馬といえるかもしれない。
 

(新倉 弘人)