2009年(平成21年)5月10日号

No.431

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(158)

―不定額給付金― 

 波乱のレースが続いている。「競馬が荒れるものとは思っていたが、これほど荒れるとはね」。溜息をつくファンは多い。そんなファンにさらに溜息をつかせたのは5月10日のNHKマイルC。勝ったのは10番人気(ジョーカプチーノ)、2着は5番人気(レッドスパーダ)、3着は13番人気(グランプリエンゼル)。上位人気は総崩れ。これには驚くのも当然だ。1番人気(ブレイクランアウト)は9着、2番人気(アイアンルック)は8着。3番人気(サンカルロ)は18着(降着)。
 そのため配当は、馬連で万馬券(1万4180円)、3連複は31万円台の高配当となった。3連単のほうはどうかというと、238万1660円。GT史上5番目の高額配当である。「100円でも当てたかった」と口惜しがるファンは少なくない。買った100円の馬券が的中していたら、238万円になって戻ってくるのだから、その心情は頷けるというものだ。例の「定額支給金」などとはケタが違う。政府の「定額支給金」のほうは、あまり評判がよろしくないから、それに代わってレースのほうが、ちょっといたずら心を起こしてみたのかもしれない。
 ただし、今回は恩恵を受けた人は少ない。今後は恩恵を受けようとする人が増えるのではないだろうか。ただし、JRAのほうは「不定額給付金」である。冗談にしても、そんなことが話題になるほどのNHKマイルCであった。
 

(新倉 弘人)