2009年(平成21年)5月1日号

No.430

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(157)

―波乱の皐月賞― 

 今年の皐月賞も、波乱に終わった。「今年も」というのは、過去をさかのぼっても、皐月賞には波乱の傾向が強いからだ。結果からいえば、勝ったのは2番人気のアンライバルドだが、2着は人気薄(8番人気)のトライアンフマーチで、馬連配当は万馬券になった。圧倒的な1番人気のロジユニヴァースが着外に敗れたのが波乱の理由の一つだが、信じ難いほどの惨敗は、どう説明すればいいのだろうか。前走(弥生賞)の見事な勝ち方からは、どうにも信じ難いほどだ。
 もともと皐月賞は、過去10年の傾向を振り返って見ても、1番人気が勝ったのは僅か3回だけに過ぎない。特に過去3年は人気薄同士の1,2着で、馬連の配当は万馬券。今年もそのような結果になってもおかしくないわけで、事実そのようになったというわけだ。その点で言えば、物事を考えて判断する場合に、傾向を知ることの重要さを示唆しているともいえるようだ。
 ところで、2番人気のアンライバルドが勝ったのはいいとして、2着に食い込んだ8番人気のトライアンフマーチが波乱の立役者。デビューしてからまだ1勝しかしていない馬だから、人気が低かったも止むを得ない。それが2着に食い込むのだから、立派というほかはない。さらにいえば、この馬を含めて5着までに入着した馬はすべて関西馬。またしても「西高東低」を示す結果となった。この傾向は、いつまで続くのだろうか。そんなことを感じさせた皐月賞でもあった。
 

(新倉 弘人)