2009年(平成21年)4月10日号

No.428

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(156)

―無敗馬の誕生― 

 弥生賞(GU、中山・芝2000)は、春のクラシック皐月賞のトライアルとして注目された。人気のロジユニヴァースが勝ったのは当然として、その勝ち方には驚かされた。スタートから先手を取ると、そのまま楽に逃げ切ってしまった。「まさか、逃げの手に出るとは予想できなかった」というファンが多いようだ。だが、あの馬の場合は、どんなレースの仕方をしても勝てるということなのだろう。
 今回は逃げる作戦を取ったが、格別に意表をついた作戦でもなかったようだ。横山騎手もレース後、「無理に抑えずに、そのまま行かせた」と、語っている。馬のペースで楽に走らせた、ということだ。それでいて、2着馬に2馬身半差をつける楽勝。これにはまったく驚かされる。これでデビュー以来、4戦4勝。無敗で皐月賞に出走することになる。
 無敗で弥生賞を勝った馬には、ハイセイコー、シンボリルドルフ、ディープインパクトなどがいる。それぞれ一時代を築いた名馬だ。ロジユニヴァースが皐月賞にも勝つとすれば、さらに名馬への道を歩むことになる。果たしてどうだろうか。そんな期待と話題で、皐月賞がさらにおもしろくなりそうだ。何事も、話題を盛り上げるかどうかは、ヒーロー次第。弥生賞のロジユニヴァースが、そんなことを感じさせた。

(新倉 弘人)