2009年(平成21年)3月10日号

No.425

銀座一丁目新聞

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茶説

小沢一郎民主党代表の
命運やいかに
 

牧念人 悠々

 小沢一郎民主党代表の公設第一秘書が逮捕された時、本紙はブログに次のように書いた。(3月4日)
 『西松建設の外為法違反事件ついに政界ヘメス。
 1月22日のブログ「日本に運ばれた裏金の使途が気にかかる」と書いたがやはり闇の政治資金だったのか。
 これで小沢一郎民主党代表の総理大臣の夢はついえた。小沢代表の公設第一秘書[47]が政治資金規正法違反で捕まった影響は計り知れない。
 西松建設の二つの団体が06年の解散までに10年間で政治資金は3億8500万円に上る。自民党の有力議員にも提供されている。今後の捜査はどう転ぶかわからない。
 民主党は「陰謀だ」と言う前に今回の不祥事の対応策を早急に考えるべきだ。自民党から民主党への政権交代の流れがそう変わるとは思えないからだ。
 右顧左眄することなく「あらたむるにはばかることなかれ』
 1月22日の時点で西松建設の事件は政界の大物へメスが入るのではないかという感触を得ていた。このとき私は法務大臣は誰かと一瞬思った(森英介法相)。野党議員であればそう神経をとがらす必要もないが、与党の大物議員ではそうはいかない。政権党はこのような場合、「指揮権発動」の手があるからだ。昭和29年4月、造船疑獄事件の際,、当時の犬養健法務大臣は検察側から出された佐藤栄作自由党幹事長に対する収賄容疑の逮捕を検察庁法14条を発動してその逮捕を見合わせたことがある。この事件の教訓として田中角栄首相は特に法務大臣選任に意を注いだといわれる。55年も前の出来事である。もちろん今回にはそのようなことはない。
 小沢一郎民衆党代表は3月4日「辞任否定・検察批判」の記者会見をした。その気持ちは分からないではないが、「国民に検察の在り方で疑義を持たれるような物言いは余りすべきではない」(民主党副代表前原誠司発言)の謙虚さがほしい。いずれにしても小沢発言の矛盾は「捜査が進めばわかる」(ある検察幹部・3月5日毎日新聞)。東京地検特捜部を甘く見てはいけない。公設第一秘書の起訴処分が決まる3月24日までには小沢代表がどうなるかはっきりする。民主党は最悪の事態を考えていた方が良い。それまでもたもたしていてはせっかく民主党に国民の期待が寄せられていた「時代の潮流」が流れを変えてしまう。だから右顧左眄することなく「あらたむるにはばかることなかれ」と説いたのである。辞任が一番望ましいが、静観でもよかった。「辞任否定・検察批判」は最悪の対応であったと思う。
 子曰く、人として信無くんば、其の可なるを知らざるなり。大車イ(ゲツ)無くんば、其れ何を以て之を行らんや。(人間として言行一致がない。それでよいのだろうか。轅(ながえ)はあるが大車に横木がなく、小車にくびきがなければどのようにして動かせようか)。
 総選挙後の政権の交代はあるのか、時代の潮流はここへきて渦巻き状態になってしまった。私には予測がつかない。