競馬徒然草(146)
―新潟2歳Sを振り返る―
新潟2歳S(GV、新潟・芝1600)は、セイウンワンダーが1番人気に応えて堂々と勝った。レースは後方に位置し、4コーナーでは大外を回り、とても届かないと見られたのを、強烈な追い込みで差し切った。デビュー2戦目の2歳馬とは見えないレースぶりだった。勝ちタイムの1分35秒4も、雨による不良馬場を考えると立派なものだ。
1番人気の馬が人気に応えて鮮やかに勝ったのだから、早くも来年のクラシックへ向けての有力馬誕生という印象を与えた。同馬を管理する領家調教師にとっては、2歳重賞初制覇で喜びは大きいが、早くも来年春の皐月賞を視野に入れているようだ。
それはそれとして、今後どんな強い馬が現われるか分からないので、これからが楽しみだともいえる。新潟2歳Sを振り返ると、2着に入ったのは最低人気(15番人気)のツクバホクトオー。そのため1番人気が勝ちながら、馬連の配当は万馬券だった。それを考えると、今後どんな馬が力をつけて台頭してくるか予断を許さないともいえる。さしあたっては、この秋から暮れに向けて、2歳馬のレースがおもしろくなったといえそうだ。
(
新倉 弘人)