2008年(平成20年)5月10日号

No.395

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競馬徒然草(136)

―ファンと数字― 

  「8」という数字が好きな人がいる。人には特定の数字が好きな人が多いようだ。特に競馬ファン場合は、出走馬に馬番や枠があるのだから、当然ともいえそうだ。「8」という数字を好む人には、それなりの理由があるようだ。8は漢字で書くと「八」で、「末広がりで縁起がいい」という。そんなファンのひとりは、先日の天皇賞(春)など、「8枠から買って的中した」と、喜んでいた。勝ったのは8枠のアドマイヤジュピタ、2着は8番のメイショウサムソンだから、「万々歳」だという。ついでにいえば、3着も8枠(アサクサキングス)だから、8枠同士のゾロ目の可能性もあったわけだ。
 近頃は、競馬の女性ファンも多い。バス停で出会ったおばあさんなどは、「8」が好きで、「ハチハチ(8−8)のゾロ目」といっていた。本人が馬券を買うのか、誰かに頼んで買ってもらうのか分からないが、ひょっとすると電話投票で買っているのかもしれない。このおばあさんの場合、「八は末広がりで縁起がいいから好き」ということだった。もっとも、このおばあさんの場合、自分の歳が88歳(米寿)ということも、理由のひとつのようだった。こんなふうに楽しむのもいいかもしれない。「年寄りが肩身の狭い思いばかりしていても、仕方がないから」ともいっていた。「ゾロ目のおばあさん」のような元気な人もいる。ただし、「年寄りいじめの政治は気に食わん」ということだ。こんな声は、どこまで届くのだろうか。

( 新倉 弘人)

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