2008年(平成20年)1月10日号

No.383

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茶説

今年中に民主党政権誕生する・・・・

牧念人 悠々

  日本記者クラブでは毎年、新年会(1月9日)で「その年の予想アンケート調査」をする。第一問は常に「今年の12月1日現在の我が国の首相は誰ですか」である。私は5年間つとめた小泉純一首相以外当たったことがない。首相の座を小泉純一郎さんからから安倍晋三さんにバトンタッチされた際にも「福田康夫」と書きミスした。今年は「小沢一郎」と書く。もちろん、衆議院選挙があるのが前提だが、秋には確実にあるとみる。
 毎日新聞が新春早々発表した(1月6日)全国世論調査によれば、「次期衆院選挙は民主党有利」と出た。質問は「次期衆院選挙は自民党と民主党のどちらに勝ってほしいか」を尋ねたところ民主46パーセント、自民33パーセントの結果であった。支持政党民主党27パーセント(自民党支持26l)を遙かに超える数字である。この質問は今回で5回目で、いずれも民主党がリードしている。昨年の参議院選挙直後に行った8月調査はその差が7ポイントであった。今回はさらに13ポイントとその差が広がっている。年金記録漏れ問題、防衛省の不祥事、格差問題などが自民党に逆風となったためとされる。時代の流れは民主党へ傾き、やがて大きな渦巻きにもなろうとしているように思える。数字的に言えば、35パーセントの無党派層のうち44パーセントが民主党に流れている。
 選挙になれば、小沢一郎首相が誕生する。田中角栄元首相はよく宴席で「こいつがいずれ総理になる。そう決まてんだ」といった予言が実現する。田中角栄元首相が死んだのが1993年12月だからその予言が15年後にやっと当たったと言うことになる。
 民主党の代表に就任した際「小沢はこれから変わる」と宣言した。余り変わったようには見えない。自民党との大連合にしても少し強引すぎた嫌いがあった。私は大連合は一つの選択肢だと思う。今なお賛成である。小沢さんの行動規範は「数の論理」「豪腕」「原則の人」「筋の人」「合理性の人」「ハラのくくれる男」だという(政治評論家小林吉也さん)。大連合問題でいささか信用を落とした小沢さんだが、参議院選挙で見せた選挙の強さは抜群で、衆院選挙でも遺憾なく発揮されよう。
 1993年(平成5年)8月「非自民」を旗印に細川連立政権が成立したとき小沢さんはこういった。「今回の政権交代は日本の歴史上、270年(徳川幕府)と50年(戦後政治)の差はあるけれど幕藩体制の崩壊みたいなものです。それくらいの大変革じゃないか」。今回はどのような感想を漏らすであろうか。二大政党の政権交代が戦後初めて実現した画期的なことであるのは間違いない。7日の仕事始めに小沢一郎代表は「今年は自公(両党)の国民生活無視の政治を変える。お互いに使命を自覚しわれわれ自信の人生を賭けて戦いに臨まねばならい」と挨拶した。「人生を賭ける」とテレビで語った小沢さんを見て自分自身に言い聞かせているなと強く感じた。先掲の世論調査でも投票の際、人柄(15l)イメージ(3l)経歴や実績(9l)よりも圧倒的に政策重視(51l)であった。有権者は賢明なのである。侮ってはいけない。
「民主主義とは政権を交代させる」事であるとすれば戦後63年にして初めて日本に民主主義が根付こうとしているといえる。なお昨年1月1日号の本紙「安全地帯」(対立は調和をもたらす)を参照していただければ幸いである。

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