2008年(平成20年)1月10日号

No.383

銀座一丁目新聞

上へ
茶説
追悼録
花ある風景
競馬徒然草
安全地帯
いこいの広場
ファッションプラザ
山と私
銀座展望台(BLOG)
GINZA点描
銀座俳句道場
広告ニュース
バックナンバー

安全地帯(202)

信濃 太郎

年賀状はニュースである。

 今年もたくさんの年賀状をいただいた。感謝に堪えない。私は宛名書きをプリンタにまかせればよいと考え、大晦日に出すつもりをしていたところ、そのプリンタが「筆まめ」のあるパソコンとつながらない。仕方なく手書きに切り替えた。約250枚の手書きはしんどかった。投函したのは元日の夕刻になった。反省しきりで今年はもう少し手際よくやろうと決意した。
 年賀状を一枚一枚拝見していると、ニュース・世相批判あり、決意表明ありで、その人の生き方をかいま見る思いがした。その内の主なる年賀はがきを紹介する。
「スペイン語で書かれた日本国憲法9条非核宣言都市グランカナリア・テルデ市」の写真が添えられてあった。「目下海外版(「シロタ家の20世紀」・この秋、岩波ホールで上映予定))を作成中で、そのためにスペイン・カナリア諸島・テルデ市のヒロシマ・ナガサキ広場に掲げられた憲法9条を撮影してきました」(藤原智子)「今年の塾(劇団「ふるさときゃらばん養成塾」の卒業公演のこと)3月23日、日本青年館です」(天城美枝子)「右も左も”偽”ばかり。この国はどうなっていくのか、目をこらしても見えません」(吉永みち子)「嘘がまかり通る劣化の日本。淋しい限りですが各界で爽やかな若者が次々に現れ、元気を貰う毎日です」(牧太郎)「偽という文字で代表された昨年、国の基本が崩れてしまったような誠に情けない年でした。中略 健康だけはまだ自信がありますので、せいぜい畑仕事ヤゴルフにがんばろうと考えております」(熊沢誠吾)
 本を出版する人が多数いる。新潟の「豪農の館」8代目、伊藤文吉さんの「一代記」(山田隆三)「詰め将棋の本」とDVD(谷川浩司)「小説防衛省」(大下英治)「面白きこともなき世を面白く(立ち上がった障害者たち)」(身障者10人で書いている。ルパン文芸・山本祐司)。「鳥獣戯画展は小生も見ました。いろいろ教えられました。今年は一冊本を出す予定です」(鷲巣力)「皆様お一人お一人との絆が、私の人生です」(栗原小巻)「私は靖国神社境内に鎮霊社と同様に世界中の人々の祖霊を敵味方なく祀る場を作り、世界平和実現の原点といたしたく、微力を尽くすことを年頭の御挨拶といたします」(宇井豊)
 「スポニチ文化芸術大賞、いいチョイスで本当ににすばらしい賞です」(高橋豊)「この暮、縁あってスポニチ社会文化部に在籍した白鳥正子なる女性と知り合い、一晩懇談、スポニチ時代の貴兄の話、毎日当時の独断と偏見居士のことなど話の花を咲かせました」(平野勇夫)
 「宰相桂冠して 革新を失い 国会空転して 民心を損なう 草莽の丈夫よ 須く声を挙ぐべし 共に回天を願いて 令辰を祝はん」(上野貞芳)「あらまほし日々是好日年男・重善」「福ねずみ飾りて屠蘇を祝非けり・照子」(安藤重善・照子)「元旦や償うごとく家にいる」(渡辺淳一)「銀座1丁目新聞」に対する励まし・ご批判もいただいた。「銀座一丁目新聞新年号『追討録』と『花ある風景』(小堀圭一郎さんへ送りました)拝見しました。早速名文を作成される能力に敬意を表します』(広瀬秀雄)「よく拝見します。さすがという指摘もありますが陸士卒のあなたにはどうも異和感があります」(天野勝文)「偕行の紙上の貴兄の発言を懐かしく味わっています」(伊東寛文)迫田太、池上昭男からも励ましを受けた。メキシコ在住の黒沼ゆり子からメールでいただいた。自宅の庭に舞い降りた真っ白な美しい鶴の写真が添付されていた。「銀座一丁目新聞も昨年でもう10周年だったのですね。すごいエネルギーに脱帽です」とあった。彼女は今年、日本各地でメキシコの歌手たたちの日本語によるオペラ「夕鶴」を上演すべく目下奮闘中である。
みんなからの年賀状に大いに刺激を受け勇気をいただいた。人間はやはり人に支えらて生きるものだと今更のように痛感する。なお、敬称を略したこと平にご容赦願う。

このページについてのお問い合わせは次の宛先までお願いします。(そのさい発行日記述をお忘れなく)
www@hb-arts.co.jp