競馬徒然草(126)
―武豊騎手が3000勝達成―
武豊騎手は11月3日、京都競馬場の第1レースでスカイビューティーに騎乗して勝ち、JRA通算3000勝を達成した。史上初の大記録。競馬史の1ページに偉大な数字が刻み込まれた。同騎手は今年7月に岡部幸雄元騎手の持つ通算2943勝を更新し、通算記録をどこまで伸ばすか期待されていた。そのひとつの区切りとしての大記録だが、38歳7カ月での達成はもちろん史上最速。
同騎手のデビューは87年3月で、同年に69勝を挙げて新人年間最多勝利記録を27年ぶりに更新し、早くも将来性が注目されていた。翌88年には菊花賞(スーパークリーク)でGT初制覇を果たし、その後も数々の記録を塗り替えてきた。また、05年にはディープインパクトで3冠を達成するなど212勝を挙げて、JRA年間最多勝利記録を更新している。これまでにJRA重賞は248勝(GTは59勝)している。JRA以外の成績は、地方通算130勝(交流GT14勝)、海外通算106勝(GT7勝)。
この記録は、今後誰にも破られないだろう。今後さらに記録は伸びることになるが、どこまで伸びるだろうか。その最多勝利記録だけでなく、ファンとしては、世界に通用する強い馬の出現を得て、フランス凱旋門賞の初制覇を成し遂げて欲しいということだろう。そのとき武豊の名は、世界の武豊になるだろう。 (
新倉 弘人) |