2007年(平成19年)7月20日号

No.366

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競馬徒然草(119)

―競馬の難しさ― 

 テレビでレースを見るのにも、いろいろな見方があるようだ。ある初心者のファンは、重賞レースだけを見るのだが、「どれでもいいから勝て!」と叫ぶのだそうだ。「知らない名前の馬が殆どだから、応援のしようがないよ」「それでも、ゴール前の競り合いは面白いね」という。この言葉を興味深く聴いた。
 一般に、スタートからレースの流れを見るのはもちろんだが、特にゴール前の競り合い、攻防には、身を乗り出させるものがある。そんなことを改めて感じさせたのは、新潟のアイビスSDというレースだった。1000メートルの芝の直線コースだけでスピードを競う。ふだんはコーナーをいくつも回るレースだから、馬も面食らうだろう。どんなレースになるか、興味深いものがあった。
 勝ったのは13番人気のサンアディユ。単勝配当が7000円台という波乱。スタートで出遅れるという不運がありながら、中団から鋭く伸びて差し切った。この馬がそれほどの力を秘めているとは、知らない人が多かった。しかも、これまではダートのレースだけを経験し、芝のレースは初めて。人気が低かった理由のひとつはそこにある。未知の能力、適性を見出すのは難しいものだ。
 それだからこそ、レースの予想は難しい。難しいのは競馬だけでなく、あらゆる予想がそうだといえるような気がするが、どうだろうか。

( 新倉 弘人)

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