2007年(平成19年)7月10日号

No.365

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競馬徒然草(118)

―2歳馬の評判― 

 早いもので、季節はもう夏に入っている。競馬も6月16日から夏競馬で、阪神、福島、函館では2歳馬がデビューしている。学校の新学期みたいなもので、2歳馬は新入学の一年生に例えられるだろう。その一年生に当たる2歳馬(新馬)のデビュー戦は「新馬戦」として特に注目される。早くも来年のクラシックを目指す馬たちがデビューするからだ。今年はどんな馬が有力視されているだろうか。
 1カ月を終えた時点で、勝ち馬を見てみよう。新馬勝ちした馬は22頭。阪神の初日に最初に勝った新馬勝ち第1号は、ポルトフィーノ。クロフネの産駒(牝)として早くから評判の高かった馬だ。この馬は別格として、他の勝ち馬を眺めてみると、種牡馬が実に多彩だ。クロフネ産駒は3頭いるが、他は種牡馬がそれぞれ異なる。種牡馬の世界の競争も激烈であることを感じさせる。「戦国時代」といっていいようだ。今後、どの産駒が勝ち星を挙げるかで、種牡馬の世界の有望勢力圏も変わってくるだろう。
 それはともかく、当面の話題はポルトフィーノの今後だろう。牝馬であるから、早くも来年の桜花賞を目指すローテーションが組まれるという。気が早いといえばそうだが、それほど評判の高い馬ということだ。父クロフネ、母エアグルーヴという良血だから、期待の高さも頷ける。それにしても、今の時点でこれほどの評価を得た馬は、過去にいただろうか。この馬に匹敵するような馬を探すのも、新馬戦を見るひとつの楽しみかもしれない。

( 新倉 弘人)

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