2007年(平成19年)1月1号

No.346

銀座一丁目新聞

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茶説

地球の危機が間もなく来る

牧念人 悠々

 暮れに関東地方は夜半、季節外れの雷鳴を伴う豪雨に見舞われた(12月26日)。一瞬「ノアの洪水」を思う。天は怒り、地は裂ける。人類は地の果てに消えてゆく。人類滅亡である。季節外れの雷と豪雨は地球の危機を暗示しているのではあるまいか。創世記によれば、ノア以外のすべての生物は40日40夜の雨のために起こった洪水によって地上から消えてしまったとある。もともとこの洪水は主が地上に人を作ったのを悔いて、心を痛め「わたしは創造した人を地の表からぬぐい去ろう」として起こされたものであった。
 種族や宗教の対立から内乱や殺し合いが各地で起こり、テロによる殺掠も頻発している。国内的には肉親殺し、いじめによる自殺、談合による知事を初め長自治体の長の逮捕、経済界の不正経理による帳簿改ざんなど悪業は後を絶たない。日本の道徳は荒廃している。神の怒り受けても当然であろう。
 創世記を読むと次のようにも書かれている。洪水が引いた後「私はもはや二度と人のゆえに地を呪わない。人が心に思い図ることは、幼いときから悪からである。私はこのたびしたように、もう二度と、すべての生きたものを滅ばさない。地のある限り、種まきの時も暑さ寒さも、夏冬も、昼も夜もやむことはないであろう」。人間の歴史は、すべての善悪を飲み込んだ「神の忍耐」のもとに進行してきている。
 最近の科学は地球の終末の近いことを示す。国際日本文化センター教授、安田喜憲さんは「50年後あるいは70年後にとんでもないカタストロフが地球を遅う可能性がある」という。つまり、過去40万年の間に、300PPM以上にCO2の濃度が上がったことは一回もない。それが2006年には380PPMまでいっている。2100年には1100PPMに上がる。1万5千年前にCO2の濃度が70PPMに上がったときにマンモスが絶滅したり大ナマケモノが絶滅したり、巨大な大変動が起きた。このと時人類も重大な危機に直面したと思われる。今380PPMまでにCO2が上がっているに我々生きているのは地球に生態系を維持するガイアのシステムが機能しているのかも知れない。50年後、あるいは70年後CO2の濃度が1000PPMを越えたら、とんでもないカタストロフが地球を遅う可能性がある」。また今世紀中に地球の年平均気温が最大で5・8度上がると予想されている。5.8度も上がったら我々は生きてゆけないという。
 安田さんは森の存在が貴重だと強調する。森が我々の命を育み、水を保水して海と魚に恵みを与える。このことを土地開発の名の下に世界の人々が忘れて森林を伐採した。日本人もいい加減に目を覚まさなければいけない。相変わらず山を削り、谷を埋める愚を犯している。。逆に森を育てるべきである。空海は「聖道秘文」の中で「森は我々の住んでいるこの世俗の世界よりもちろん美しい」「しかも天上の世界よりも美しい」と言っている。先哲の押しを聞くべきである。
 終末の到来はいつか、マタイによる福音書によると「そしてこの御国の福音は、すべての民に対してあかしをするために、全世界に宣べる伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである」神の愛の支配が完成して初めて終末ということになれば、あと50年とか70年とか言う話しではない。一千年とか百万年という単位であろうか。何はともあれ、地球の環境を良くするために人類は全知能と全精力を傾けねばならない。その先頭に立つのは日本人しかない。
(聖書の引用は北森嘉蔵著「聖書百話」筑摩書房による)

 

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