競馬徒然草(100)
―2006年の話題、回顧(2)―
@ハートランドヒリュ、突然死
3月22日、 早朝の栗東トレセンのウッドコースで調教していたが、突然、倒れて死亡した。死因は心臓マヒ。ハートランドヒリュ(牡10歳、栗東・河内洋厩舎)は、JRA最多出走記録を更新中だった。98年12月の3歳新馬戦に清水久雄厩舎からデビューして7年。05年11月13日、オートダービーの持つ最多出走記録122回を43年ぶりに記録更新し、あと1回出走すれば、アラブのトキノヒカリが持つJRA最多出走記録128回に並ぶところだった。デビュー以来、面倒を見てくれた清水調教師が2月に引退し、河内厩舎に転厩した。この環境の変化で「これで自分の仕事は終わった」とでも思ったのだろうか。
A騎手の不祥事
12月2日、藤田伸二騎手(34)の不祥事が発覚した。滋賀県栗東市の飲食店で従業員に暴行したため、草津警察署の取り調べを受けた。同署は年明けにも書類送検する方針という。
このような騎手の一般人への暴行に対して、JRAは「重大な非行」として、25日以降に開く裁定委員会が処分を決めるまで騎乗停止とした。藤田騎手は91年のデビュー年から毎年重賞を勝ち、GT9勝を含む重賞69勝。22日現在、武豊騎手に次ぐリーディング2位(127勝)にあった。
B1着馬から禁止薬物検出
兵庫県尼崎市の園田競馬場のレースで、1着馬の尿から使用禁止薬物に指定されているカフェインが検出された。12月6日の第8レースで1着になったロゴスの尿から検出されたもので、県競馬組合はロゴスを失格とし、30日間の出走停止処分にした。事件の背景などは不明。
Cノロウイルスの感染不安
12月17日の阪神競馬では、6人の騎手が乗り替わりになったが、そのうち4人は「腹痛を伴った変調」を訴えており、ノロウイルスの感染の疑いといわれた。ノロウイルスの影響が競馬サークルに広がることが心配されている。
決して明るいといえない話題も少なくなかった。 (
新倉 弘人) |