2006年(平成18年)10月20日号

No.339

銀座一丁目新聞

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茶説

北朝鮮の暴走を止めるのは中国だ

牧念人 悠々

 国連安保理は北朝鮮の核実験に対する制裁案を満場一致で採択した。日本は北朝鮮に出入りする船舶への検査を実施する場合、周辺事態の認定に踏み切る考えのようである。これにも与党内でも異論があるという。今の法律の元では海上自衛隊が船舶検査の場合、相手の承諾が必要など強制力が伴わない。みすみす核が拡散するのを見逃すことになりかねない。周辺事態法にしても日本は後方支援ができるのに過ぎない。船舶検査をする米軍への補給・給油など裏方の仕事をするだけである。北朝鮮の核の脅威をまとめに受ける日本がこの体たらくでよいのか疑問に思う。
 「金正日が野球ボールほどの大きさのプルトニュームをテロリストに渡しアメリカを襲わせる」(「ニューズウイーク」10/25号)可能性は十分ある。アメリカは4年前に北朝鮮をイラク、イランとともに「悪の枢軸」と呼んだがいまや筋金入りとなった。
 北朝鮮の核保有を止めさせる最大の決め手は北朝鮮の最大の支援国中国である。北朝鮮への燃料供給の約70パーセントを握る中国がそのパイプを締めることだ。北朝鮮は直ちに手を挙げざるをえなくなる。胡錦涛国家主席の決断に掛かっている。
 中川昭一政調会長が「日本も核武装について議論すべきだ」と発言して物議を呼んでいるが、私も大いに議論すべきだと思う。日本は核を製造する技術は潜在的に持っている。私の結論は「広島、長崎で被爆経験を持つ日本が核を保有したら世界はおしまいよ」である。
 ともかく「日本を火の海にしてみせる」と豪語した北朝鮮が核保有国となった今、日本はのんびりしておられないはずである。北朝鮮の核保有を止めさせ、核が拡散するのを防ぐ最大限の努力をせざるを得ない。一国の政治力、外交力の必要性を痛感する。日本の政治家よその力ありやなしや・・・・

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