2006年(平成18年)10月10日号

No.338

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安全地帯(158)

信濃 太郎

簡単に人にレッテルを貼るな

 安倍晋三新首相に新聞が貼ったレッテルは「タカ派のナショナリスト」である。それは「憲法改正」を唱え「教育基本法の改正」を口にするからである。二つとも占領時代に制定された。戦後61年時代に合わなくなっている。本来は昭和27年4月28日日本が独立を果たした時に改正して当然であった。「民主主義」という時代の激流に政治家達が流されたため「戦後体制」がそのまま維持されてきた。その当然の改革を押しとどめようとする勢力がある。政党で言えば社民党、共産党、新聞で言えば朝日新聞である。あえて言う。改革に反対する勢力は守旧派である。人はこれらの人々を進歩主義派と呼ぶ。こんな間違った話はない。
 自衛隊を軍隊ではないという。近代戦を或程度遂行する能力が有りながら「戦力なき軍隊」と表現する。平和維持軍、イラク復興支援のためわざわざ法律を作って海外派遣せざるをえない状況にある。。個別自衛権は認めるが集団自衛権は認めないという論理の使い分けをする。憲法を改正したからといって戦争をするわけでもない。好戦的になるわけでもない。
 「教育基本法の改正」は「開かれた保守主義」の延長線上にある考え方によるとみてよいであろう。つまり「自分の生まれ育ったこの国に自信を持ち、今までの日本がつむいできた長い歴史をその時代に生きた人たちの視点で見つめ直そうとする姿勢である」(10月2日各党代表質問に対する答弁より)。この観点に立ち改正しようというわけである。日本、アメリカ、中国の高校生を対象にした調査がある(日本青少年研究所・2004年)。「国に対して誇りをもっているか」の質問に「持っている」と答えた者は日本50.9パ−セント、米国70.9パ−セント、中国79.4パ−セントである。安倍首相はいう「わたしたちの教育、とりわけ義務教育に大胆な構造改革が必要であることを示している」(その著「美しい日本へ」・文春新書)。断乎として改革に取り組め。

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