2006年(平成18年)5月1日号

No.322

銀座一丁目新聞

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茶説

小泉内閣と格差社会

牧念人 悠々

 5年目を迎えた小泉政権に対する「格差社会」の批判が強くなってきた。資本主義の世の中にあって格差が生じるのは当然である。実力ある者、商才のある者がそれなりに成功する。何ら異とするに当たらない。確かに統計数字は格差の存在を示す。生活保護世帯の増加(100万世帯を突破)、非正社員の増加(この10年間で650万人増加)、貯蓄0世帯の増加などである。
 まず小泉首相に言い分を聞こう。「この改革を進めていなかったら逆に格差が固定したのではないか。改革路線は既得権をぶちこわし、意欲ある人にチャンスを増やした。『改革を見直すべきだ』『もう改革に疲れた』というのは、小泉批判の裏返しの表現だ。改革をやめ、経済を弱め、誰が社会保障を支えるんだ。結局、増税路線に入ることになる。『格差』批判は与野党を問わず反小泉勢力が一番使いやすい言葉だ」(4月26日産経新聞)今経済が拡大基調に転じたのは小泉路線が間違っていなかったという証であろう。
 では庶民の生活はどうなったか。私など年金生活者はゼロ金利の上、介護保険も取られて生活はちょっぴり苦しくなった。贅沢を言わなければ食っていける。交通費も私鉄を利用し極力JRを遠慮する。朝日新聞の世論調査によると、この5年間で暮らし向きが『良くなった』という人は18パーセント。『悪くなった』という人42パーセントである。だが別に『負け組』だとは思っていないし『勝ち組』をうらやましいとも思わない。所詮心の持ちようではないか。お金で幸せも健康も買えるわけではない。勝ち組、負け組を云々する人はお金の亡者ではないか。『志』を持ち『前向き』に、人様に『感謝』して生きればと願っている。人間の賞味期限はあくまでも死ぬまでだと思う。

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