2006年(平成18年)5月1日号

No.322

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(79)

―メジロマックイーンの急死― 

 メジロマックイーンが4月3日、心不全のため急死した。
  87年4月3日生まれの19歳で、奇しくも誕生日が命日になった。「メジロ」の冠を持つ馬には、大レースで活躍した馬が何頭もいるが、メジロマックイーンはその代表的な1頭といえる。数々の記録と話題を持つ、個性的な馬だったように思う。
 特に、長距離に強い馬(ステイヤー)だったという印象が強い。その記録を挙げてみる。まず、90年(平成2)の菊花賞(3000)に勝っている。また、春の天皇賞(3200)を91年(平成3)と翌92年(平成4)に連覇している。この2連覇の記録は、天皇賞(春)の歴史の中でも唯一のものだ。いずれも武豊騎手の騎乗ということも忘れ難い。
   93年の京都大賞典(2400)では、2分22秒7という当時のコース新記録で優勝している。長距離のスタミナだけでなくスピードもある馬だった。メジロマックイーンに騎乗した武豊騎手は、「マイルチャンピオンシップ(1600)でも好勝負するくらいのスピードは在る」と語っている。スピードとスタミナを兼ね備えた馬だったといえるのだろう。
 この機会に「メジロ」の馬の天皇賞馬に触れると、秋の天皇賞には古くはメジロタイヨウ、メジロアサマ、メジロティターンなどがいる。春の天皇賞ではメジロムサシ、そして前記のメジロマックイーンの2連覇と、メジロブライトが挙げられる。しかし、このメジロブライトの優勝が98年(平成10年)の天皇賞(春)で、その後は影を潜めている。「メジロ」の馬も最近は不振の感があるが、メジロマックイーンの訃報を機に思い出してしまった。メジロマックイーンの血を引く2世から、スピードとスタミナを受け継ぐ馬の現われることを期待したい。

( 新倉 弘人)

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