2006年(平成18年)4月20日号

No.321

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(78)

―皐月賞の記録・話題― 

 第66回皐月賞は、予想どおり波乱に終わった。過去10年の傾向から見ても、それは十分に予想されたことではある。だが、実際に6番人気(メイショウサムソン)と10番人気(ドリームパスポート)で決まり、馬連が万馬券になったのを見ると、やはり驚きを感じる。1番人気(アドマイヤムーン)と2番人気(フサイチジャンク)が揃って4着、3着に敗れたからでもある。
 波乱に終わったレースは、数々の記録や話題を生む。まず、メイショウサムソン(栗東・瀬戸口勉厩舎)に騎乗して勝利の立役者となった石橋守騎手(39)だが、デビュー以来22年目、GT42度目(皐月賞5度目)の挑戦だから、いわば悲願の初制覇ということになる。しかも、来年2月で定年を迎える瀬戸口勉調教師にとっては、これが最後の皐月賞制覇。石橋騎手の手綱さばきによる、思いもかけぬビッグなプレゼントでもある。初制覇ということでいえば、松本好雄オーナーにとっては、皐月賞はもちろん、クラシックは初制覇。これまでメイショウドトウ、メイショウボーラーでGTに勝ってはいるが、クラシックには勝っていなかった。同様なのは、生産者の林孝輝氏(浦河)もそうである。繁殖牝馬10数頭前後の家族牧場を経営しており、クラシックはやはり初制覇。とかく有名な大牧場の生産馬に押されがちな傾向を考えると、拍手喝采ものである。平成になってから浦河産馬が皐月賞を制したのは、97年サニーブライアン、99年テイエムオペラオー以来3頭目。
 先日の桜花賞は418キロの小型馬が勝ったが、今回の皐月賞のメイショウサムソンは504キロの大型馬と対照的だった。また、このメイショウサムソンはオペラハウスオー(父サドラーズウエルズ)の産駒。サンデーサイレンス系産駒の活躍が多く目立つ中で、このことも注目されてよいことだろう。

( 新倉 弘人)

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